行政マン・コーチのはじめの一歩

自治体職員でストレングスコーチ&ファシリテーターの丸本です。
人と組織の持つ強みを活かして、応援を続けています。

全くの別物

2006年05月22日 | 行革・人材育成
先週の評価制度構築作業の中で、お試し評価をしていただいた管理職へのグループインタビューをしました。

その中で、某部長の一言はなかなかに核心を突いていました。

それは、「これまでの相対評価から絶対評価に変わったということは、評価制度の思想が変わったということ。それをきちんと理解させないと間違うよ。」ということです。

聞いたその時は深く考えなかったのですが、家でゆっくりしている時に、じわじわとその深さを実感しました。

相対評価は査定です。母集団の中で、その評価対象者が何番目いるかを評価することが目的です。順位付けをする理由は、給与資源の配分に使うため(処遇への反映)。処遇に反映する理由は、差をつけることで職員にやる気を出させ、組織のパフォーマンスを上げるためです。

それに対し、絶対評価は分析評価です。その職員自身について、強み・弱みを分析します。分析する理由は、強みを伸ばし弱みを補う育成を行うため。育成する理由は、ひとり一人の能力を高めることで組織全体の力を高めるとともに、認められることによる働きがいを実感させることで、職員のやる気を高め、組織のパフォーマンスを上げること。

職員のやる気を高め、組織のパフォーマンスを高めるという部分は双方同じです。

しかし、「やる気を高める」ことに対する考え方が違います。

相対評価の思想は、金銭報酬が人のやる気を高める、処遇に差をつけることで本気になるという考え方。

一方で絶対評価は、人は認められれば仕事自体や能力を高めること自体に生き甲斐を感じるという考え方です。

相対評価は組織(母集団)を見、絶対評価は個々の職員ひとり一人を見ます。

根本的に思想が違うんだと感じました。
コメント
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