Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

晴れない心

2016-01-12 01:00:00 | 雪3年4部(賭け~温かな痕跡)


鬼気迫る表情で雪が相対しているのは、終わらせなければならない課題達である。

集中! 集中! 集中!



燃え上がるゴォォという音が聞こえそうなくらい、雪の気迫は凄まじかった。

けれど心の中にある靄が、その炎を小さくする。

直美さんが‥うう‥気になるけど‥とりあえずPass



過去問盗難事件の容疑者が、雪の頭を悩ませる。

しかしそれとは関係なしに、目の前に積まれたタスクが彼女を追い詰めるのだ。

まだこんなに残ってる。終わらせにゃ‥



うああー



そしていつしか空が明るくなるまで、雪は勉強に励んだ。

鳥の囀りが朝の空に響く。



雪の父はむっつりと黙りこんだまま、いつまでも椅子に腰掛けていた。

持病の腰痛がこのところ特にヒドイのだ。



そんな父とは対照的に、母は出掛けるための準備に着々と取り掛かっていた。

家のことと自分のことを要領良くこなしていく。



そして母は、心配そうな顔で夫に声を掛けた。

「あなた、腰はどう?今日は家で休んで‥」

「!!」

 

すると夫は、クワッと目を見開きながら妻に対してこう言ったのだった。

「お前一人で店に立たせられるか!」



お前一人で行かせはしない、共に店に立とう‥!

そんな夫の言葉に、妻は目を潤ませる。

「あなた‥」



ジーンと感動する妻と、気まずくて咳払いをする夫。

そんな仲睦まじい夫婦の隣を、寝不足の娘が通り抜けて行く。

「学校行ってきまーす‥」



クマで目の下は真っ黒だ。店のことや父の腰のことは気になるが、

やるべきことが山積している今は、そうも言っていられない‥。

気掛かりだけど‥さ‥



雪は後ろ髪を引かれながら、大学へ登校した。

そして一限が始まる前の時間、この二人が肩を並べて座っている。



佐藤広隆と小西恵だ。

本来もう一人隣に座るはずなのだが、佐藤の右隣にはまだ誰も居ない。

 

チラチラと空席を見る佐藤に、小西恵が声を掛けた。

「静香さん来ないみたいですね」



思わず佐藤の口から、「はは‥」と乾いた笑いが漏れる。

するとそのタイミングで、携帯がメールを一通受信した。



急いで文面を確認する佐藤。

しかしそれは願っていた相手からではなかった。

先輩、静香さんどこに居るか知りませんか?



赤山雪からの、静香の所在を尋ねるメール。

佐藤はメールを見ながら、心の中がモヤモヤと煙っていくのを感じる。



彼女がどこに居るのか、もう授業には出てこないつもりなのか、それともこのままフェードアウトしてしまうのか。

尋ねたいことは佐藤の方こそ沢山あった。

佐藤は誰にも聞こえない声で、不貞腐れたようにこう呟く。

「‥知らないよ」



そして佐藤は携帯をポケットに仕舞った。

一方雪は、鳴らない携帯を持って首を傾げている。

「どうして返信が無いんだ?本渡さなきゃなのに‥

「雪ちゃん!」



すると同期の子が、後ろから声を掛けて来た。

「おはよ」「うん、おはよう」



「アンタ今日も朝ごはん抜いて‥?」



そう問う雪の質問には答えずに、同期は険しい表情をしながら身を屈めるようにして隣の席に座った。

そんな同期の様子に眉を潜める雪に向かって、その子は突然話を切り出した。

「直美さんだったらしいじゃん?」



雪の肝がヒヤリと冷える。

「‥へ?」



しかし同期は雪の様子には頓着せず、耳にした最新の情報を口にし始めた。

「直美さんだったんでしょ。そんな人だと思わなかったわ~。マジで極悪じゃない?

アンタにあんなこと出来るなんてさぁ」




「あたしたちが直美さんとトラブったのにも、ちゃんと理由があるんだからねー?」



雪は固まりながら、その同期の子が話す言葉の一部始終を聞いていた。

そういえば、以前彼女達を見て自分が思ったことは‥。

三年生になってから直美さんと離れた子達。

変なゴタゴタがあったって聞いたような‥




元々彼女らが持っていた直美への不信感が、今回の事件で火が付いたようだった。

仕掛けたのは自分だが、事態はいつだって予測不能な方向へと転がって行く。



雪は苦々しい、晴れない気持ちで同期の話を聞いていた。

事が運んで行く程に、心の中が靄で煙って行くようだ‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<晴れない心>でした。

いたわり合う赤山夫婦でほっこりした回でしたね~



けれど物語全体としては、モヤモヤ~っとしたものが漂う回でした。

早くキッパリスッパリした話が読みたい‥!


次回は<芯>です。


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