Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

噛み合わない真実(1)

2016-01-18 01:00:00 | 雪3年4部(賭け~温かな痕跡)
「ううう‥」



雪は携帯を握り締めながら小さく呻いていた。

先ほど久しぶりに連絡をくれた萌菜が食事に誘ってくれたのに、

グルワの集まりの為に断りのメールを入れなければならなかったからである。

「どーして会おうって連絡はこんな時ばっかり来るの‥萌菜‥申し訳ない‥



雪は溜息を吐きながら、携帯越しに教室内の風景を眺めてみた。

段差のある講義室の上段に座った雪からは、下段に座った学生達が良く見えるのだ。



特に目につくのが、一人で座る糸井直美と、彼女を見てヒソヒソと話をする黒木典とその友人だ。

「オフレコ」は今日中にも皆に広まるだろう。雪はじっと彼女らを眺めている。



糸井直美は所在なさそうに座っていた。

いつもは典を始めとした友人達とワイワイ楽しくやっているのに。



すると雪の視線を感じたのか、おもむろに彼女は後ろを振り返った。

そして雪が自分の方を見ていることを知ると、悔しそうに歯を食い縛って下を向く。



「‥‥‥‥」



直美は勢い良く前を向くと、それきり雪の方を見ようとはしなかった。

雪の心の中に、モヤモヤとした感情が膨らんで行く。

一体どういうことだろう



私が学科長に話をすると耳にした途端、訪ねて行って大騒ぎしたという柳瀬健太。

どう考えても愚かな泥棒のパターンなのに‥




でも、実際過去問を破いて捨てたのは糸井直美‥



何度考えてみても、辻褄が合わない。

雪は机に突っ伏して低い声を上げる。

「あ~‥頭イタ‥







雪は頭を机に付けたまま、ぼんやりと皆の方を眺めてみた。

皆この間の騒ぎなど無かったかのように、すました表情で座っている。

皆‥



皆はどう考えてるんだろう



雪は再び、一人で座る糸井直美の後ろ姿をじっと見つめた。

幾分投げやりな気分が胸を掠める。

このまま直美さんが盗んだということにしようか

そしたら、誰もそれ以上興味を示さないだろうか




このまま心に蓋をして、今の流れに身を任せるのも一つの方法だろう。

何をどうすべきかなんてマニュアルは無い。

雪自身も、明確な信念があるわけではないのだ。

ていうか、怒りを感じて私なりに誘導してみたけど、

絶対に捕まえて何をどうこうしようってのは無かったわけで‥




雪自身にも迷いが出て来ていた。

胸と頭の中に、モヤモヤとしたものが依然としてあるのは変わらない。

でも‥それでも‥



それでも心の奥で、「それはおかしい」と声がする。

いつだって雪は誤魔化せないその叫びに、翻弄されながら生きているのだ‥。

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<噛み合わない真実(1)>でした。

短め記事で失礼しました!

モヤモヤしますね~‥。ここ最近ずっとですねこんな展開‥。早く脱出してほしい‥!


次回は<噛み合わない真実(2)>です。


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