「アイデンティティー」5月8日
心療内科医海原純子氏が、震災特別コラムを書かれていました。その中で海原氏は、『お金では埋め合わせられないものがある。それはアイデンティティーだ』と書き、『漁師は、漁をすることで自分らしく幸せに生きられる。農業を営む人は、田畑で米や野菜を育てるなかに幸せを感じ取れる』とそれぞれのアイデンティティーについて述べています。
教員のアイデンティティーとは何でしょうか。教員の仕事は多岐にわたります。教委に提出する書類づくりも、会議に出席することも、保護者の苦情に対応することも、研修で接客体験することも、みんな「職務」です。しかし、書類づくりに教員としての幸せを感じ、充足感を得ることができる教員は少ないことでしょう。やはり、授業をし、子供が「分かった!」「できた!」という声を発したとき、笑顔を見せたときにこそ、幸せを感じ、教員としての生き甲斐を実感するのだと思います。
海原氏の考えに従えば、教員の待遇を論じるとき、この教員としてのアイデンティティーという視点を尊重することが大切だということになります。教員が授業に集中し、そのことが保護者や世間から認められる環境をつくることこそが、教員の待遇改善であり、教員の意欲喚起につながり、教育の質の向上につながるという発想が求められているのだと思うのです。
しかし、現状はそうなっていませんし、進行中の改革も別の方向に進んでいるのです。正直な話、教員の給与や休暇などの労務条件は比較的恵まれています。他業種との比較でみても、不況を背景に近年その差はさらに広がってきているように思います。それにもかかわらず、定年を待たずに退職する教員が増え、精神疾患で休職する教員が増えているということは、多くの教員が教員としてのアイデンティティーに悩んでいることを示しています。
学校がやること、教員が担うべきことを明確にし、そのことに集中できるようにする代わりに、授業の専門性については厳しく問うていくという方向での改革が望まれます。
心療内科医海原純子氏が、震災特別コラムを書かれていました。その中で海原氏は、『お金では埋め合わせられないものがある。それはアイデンティティーだ』と書き、『漁師は、漁をすることで自分らしく幸せに生きられる。農業を営む人は、田畑で米や野菜を育てるなかに幸せを感じ取れる』とそれぞれのアイデンティティーについて述べています。
教員のアイデンティティーとは何でしょうか。教員の仕事は多岐にわたります。教委に提出する書類づくりも、会議に出席することも、保護者の苦情に対応することも、研修で接客体験することも、みんな「職務」です。しかし、書類づくりに教員としての幸せを感じ、充足感を得ることができる教員は少ないことでしょう。やはり、授業をし、子供が「分かった!」「できた!」という声を発したとき、笑顔を見せたときにこそ、幸せを感じ、教員としての生き甲斐を実感するのだと思います。
海原氏の考えに従えば、教員の待遇を論じるとき、この教員としてのアイデンティティーという視点を尊重することが大切だということになります。教員が授業に集中し、そのことが保護者や世間から認められる環境をつくることこそが、教員の待遇改善であり、教員の意欲喚起につながり、教育の質の向上につながるという発想が求められているのだと思うのです。
しかし、現状はそうなっていませんし、進行中の改革も別の方向に進んでいるのです。正直な話、教員の給与や休暇などの労務条件は比較的恵まれています。他業種との比較でみても、不況を背景に近年その差はさらに広がってきているように思います。それにもかかわらず、定年を待たずに退職する教員が増え、精神疾患で休職する教員が増えているということは、多くの教員が教員としてのアイデンティティーに悩んでいることを示しています。
学校がやること、教員が担うべきことを明確にし、そのことに集中できるようにする代わりに、授業の専門性については厳しく問うていくという方向での改革が望まれます。