ヒマローグ

毎日の新聞記事からわが国の教育にまつわる思いを綴る。

教員は強者?

2010-07-29 07:52:10 | Weblog
「強者には許されない」7月26日
 障害者の雇用を積極的に進めている「ホンダ太陽」についての特集記事が掲載されました。その中に次のような部分がありました。『そんな中で幹部たちは収益や雇用確保だけでなく「働きがい」に知恵を絞っていた。どうすれば主役である従業員たちに、もっとやり甲斐や目標を持てる職場を提供できるか。改善は尽きない』というものです。
 もし、「ホンダ太陽」の取り組みに対して、株主が、「企業は利益を上げることが存在意義だ。障害者である社員の「働きがい」なんてどうでもいい。効率化を進めコストを削減して、利益を還元しろ」と主張し、そのことをメディアが報じたとしたらどうでしょうか。おそらく、非難が殺到することでしょう。
では、保護者が、「教員のやり甲斐や充実感なんて二の次だ。学校は、子供の確かな成長のためにある。教員を甘やかさず、しっかり授業をさせ、学力を向上させろ」と主張したとしたらどうでしょうか。多くの人の賛同を得るような気がします。同じようなロジックであるはずなのに結論が異なるのはなぜかというと、「障害者」と「教員」に対する見方の違いだと思います。「障害者」は守られるべき弱者であり、「教員」はさまざまな権利に恵まれた強者であるという認識の差です。
 教員が「強者」であるか否かは、ここでは触れません。ただ、年収数千万円のエリート社員であろうが、数億円を稼ぐ有名芸能人やスポーツ選手であろうが、人はその仕事を通して「やり甲斐」を感じ、目標に近づく充実感を得ることなしには、仕事への情熱や向上心を保ち続けることはできません。これは、あらゆる「人」に共通する原理です。
 教員の「働きがい」という視点を欠いた教育改革は、決して成功しないということを肝に銘じるべきだと思います。

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