「どうしてる」1月24日
大学生が作るページ『キャンパる』に、『「SNSで」が圧倒的多数』という見出しの記事が掲載されました。『年末年始の恒例行事として定着していた年賀状書き(略)SNSを駆使する若者は、年賀状についてどう感じているのだろうか』ということで、アンケート調査を実施した結果について報じる記事です。
結果は7割が年賀状を出していない、でした。また、『新年のあいさつでLINEやツイッターなどのSNSを利用したかどうか』という問いには、9割が利用したと答えたそうです。そして私が感心したのは、『「友人にはLINEで簡略に、先生などにはメールで」というように相手によって手段を使い分ける』という記述でした。
これは大学生の話です。彼らは、『年賀状を出さなかった人全員が「過去に出したことがある」』と答えているのですから、年賀状を出さないというこうどうはここ10年ほどの間に急速に広がったと考えることができます。ということは、年賀状を出すような人間関係をもってからまだ10年もたたない小中学生にとっては、年賀状を書くという行為は、とても遠いものになっているということが想像できます。
では、今、小中学校の教員は、教え子への年賀状をどうしているのでしょうか、という疑問が頭に浮かびました。知り合いの現職教員にも訊いたことがなかったのです。私が教員だった頃、教え子に年賀状を出すのは、とても大変なことでした。その年の干支にあった図柄を考え、全員が同じ図柄にならないように数種類を用意し、一人一人に手書きで一文書くという作業は数日を費やさなければ終わらなかったものです。
もし、出さなかったりすれば、「うちの先生は子供に年賀状もよこさない。お正月の年賀状の束を見て、一枚一枚確認し、先生から来ていない、と残念そうな顔をする我が子が可哀想でみてられなかった」と3学期の保護者会で嫌味を言われるのは確実でした。
では、今は時代が変わり、LINEやメールで済ますことができるかというと、そういうわけにもいきません。ごく一部の教員がSNSを使って子供と私的な連絡を取り、不適切な行為に及ぶといった事例が報じられるようになり、私的にアドレスを交換することは禁じられている学校が多いはずです。
子供の立場からすると、大人に手紙を書くという経験は、そうはあるものではありません。年賀状書きは、子供にとっても面倒臭いものではありましたが、文章を考え丁寧な字で書く、良い勉強の機会でもありました。日本の良き伝統を継承するという意味もあったように思います。
今、小中学校教員の年賀状事情はどうなっているのでしょうか。どうしていくことが望ましいのでしょうか。