今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

戦後初の宝くじが発売された日

2006-10-29 | 歴史
1945(昭和20)年 の今日(10月29日)、戦後初の宝くじ「政府第一回宝籤」が発売された。
宝くじとは、集団で金銭を出し、それをまとめ、経費、目的とする財源の費用を差し引いた総額を賞金として割り当てたのことである。
日本においては、古くは江戸時代などにおいて神社や寺の修復費用を集めるなどの目的で行われ、富籤(とみくじ)とも富突き、富興業などとも呼ばれていた。興業主が富札を売り出し、それと同数の木札を箱に入れ、所定の日に、箱の小穴から錐で突き刺して当り番号を決めた。江戸では、宝永のころから行われたが、盛んになったのは 享保の末ごろかららしい。文化文政期には谷中感応寺や湯島天神、目黒不動が江戸の三富として盛況をほこったという。関西では、「浪速 高津宮」(大阪市中央区高津1ー1ー29)が有名で、落語の[高津の富」、「祟徳院」、「高倉狐」の舞台となっている。しかし,日本の「富くじ」の起源は、約380年前の江戸時代初期。摂津箕面(大阪府)の瀧安寺で始まった、富会(とみえ)だというが、これは、当初、ただ、当せん者にお守りを授けるだけのものだったという、(後には、次第に金銭と結びつき「富くじ」として町に氾濫するようになったらしいが)。この瀧安寺のことは、前に書いたブログ、今日(9月2日)は「宝くじの日」でも簡単に触れたので、ここでは省略する。
この富くじも、天保13年(1842年)の「天保の改革」によって禁止され、明治になってからも、明治元年(1868年)の「太政官布告」によって、厳しく禁じられ、長い間、日本では「富くじ」は発売されていなかった。宝くじが、初めて、発売されたのは、1945(昭和20)年になってからである。
それは、第二次世界大戦中の1945(昭和20)年7月16日 、日本政府が軍事費の調達をはかるため、その名も勝利の祈りをこめて、「勝札」として発売したものがそれである。 しかし、この「勝札」は、抽せん前に敗戦となり、皮肉にも「負札」とよばれることになったという。このときの、「勝札」の裏面には「此ノ證票ノ發賣ニ依リ擧ゲタ收益ハ凡テ大東亞戰爭ノ戰費ニ充テラレマス」とあっったという。(以下参考の近代日本初の“宝くじ”を発掘!より)
この「勝札」、名称を「宝くじ」と変更して発売されたのが、1945(昭和20)年 の今日・10月29日のことであった。だから、これが、日本の「宝くじ元年」とされているようである。
このときの宝くじは、1枚10円で、1等は、賞金10万円 とカナキン(純綿キャラコ)2反。はずれくじ4枚で、たばこ10本がもらえたという。戦後の物資不足でインフレのさ中、金より物といった切実な世相を反映してのもの。副賞の賞品(タバコやカナキン)がもてはやされたという。兎に角、この時代の流行り言葉は以下のようなものであった。
「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ」・・・8月15日昭和天皇の終戦の詔書。・・・兎に角、耐えて耐えて耐え抜く事が生きる道であった。
「銀めし」「銀シャリ」 ・・・混じり物のない白米の飯・・・おかずなどなくとも、ただ白い米を食べる事が夢のような事であった。
「竹の子生活」「タマネギ生活」 ・・・この当時は竹の子の皮をはぐように、衣類その他の所有品を売って生活費にあてる暮しをしていた。一皮むくごとに涙がでるというので「タマネギ生活」 とも言ったが、辛い生活だったのだよ。
「バラック」 ・・・家も焼かれ、焼け杭や古木材、焼けトタンで工夫した建物に住んでいた。
1946(昭和21)年には、法律が改正され、政府のほか都道府県でも宝くじを発売できることとなる(第1号「福井県復興宝籤」)。この年、宝くじ、三角くじ、スピードくじ、野球くじなどが大人気で、世をあげて雑くじ時代が到来し、その売上は10億円に達したという。そして、1947(唱和22)年には、東京都が第1回東京都復興宝籤を発売(3月10日)するほか、地方くじが続々登場。この年、12月1日勧業銀行が一等賞金100万円(10本)の宝くじを発行した(1枚50円)。超インフレで白米など2年間で25倍の値上がり。アッと驚く100万円くじの登場は、この年の10大ニュースにもとりあげられる。そして、1948(昭和23)年、現在の根拠法「当せん金附証票法」が制定。副賞の賞品に住宅一棟が登場する。 1951(昭和26)年対日平和条約調印、それを記念した9月、政府の講和記念宝くじ(50円30円20円3枚つづりシートくじ)が発売される。最高賞金額が、初めて400万円(1シート当たり)となり、大評判となる。この当時で、400万円と言うと家が一軒建つくらいの金額である。1954(昭和29)年、政府くじ廃止にともない「当せん金付証票法」が一部改正される。この年の最後の政府くじ1枚100円(1等当選金は初のズバリ400万円)が発売された。その後、時代とともに、当選額は多くなり、1968(昭和43)年 には、 一等の当選金が1000万円に達する。 1974(昭和49)年、史上初の前後賞付2000万円くじが発売される。1等は1000万円だが、連番で買って前後賞500万円当たれば、2000万円となり、大人気となる。1976(昭和51)年12月21日 には、年末のジャンボ宝くじ売り場に群衆が殺到し、福岡と松本で死者が出る騒動になる。 そのことを踏まえ翌1977(昭和52)年 には、ジャンボくじの官製往復はがきによる予約制が導入された。
1980(昭和55)年5月に発売のドリームジャンボ宝くじでは1枚300円、1等3,000万円となった。1985(昭和60)年5月に、宝くじの法律「当せん金付証票法」が改正され、宝くじの最高賞金額は「宝くじ1枚の価格の20万倍まで」となった。これにより、同年11月に発売の年末ジャンボ宝くじは、1枚300円で、1等5,000万円となった(1等・前後賞合わせて7,000万円)。このように当選額は、どんどんと、エスカレート。1996(平成8)年に宝くじ発売開始以来、初めてのズバリ1等賞金 1億円の宝くじが誕生。(阪神・淡路大震災復興協賛宝くじ1枚500円)。
そして、今年(2006=平成18)年の「年末ジャンボ宝くじ」(第513回全国自治宝くじ)は、11月24日より全国で一斉に発売される(1枚の価格は300円)が、その当選額は、1等・前後賞合わせて3億円!! (1等2億円、前後賞各5,000万円) となっている。しかも、1等2億円が74本、2等1億円が296本も当るという。又、この発売予定額だけで、2,220億円というのだから凄い・・・の一語だね~。 そして、昨(2005=平成17)年には、宝くじ年間販売額が4年連続して1兆円を突破し、1兆742億円となる(平成16年4月~17年3月)。というが、そんなお金、どこから出てくるんだろうね~。
宝くじは国民の射幸心(しゃこう-しん )を煽り(あおり)、努力もせずこのような大金を手に入れると人生をも狂わしかねないといわれながら、昭和20年7月には、浮動購買力を吸収して軍聖戦遂行のための軍事費の調達をはかるため発行され、戦後は一転して、戦災によって荒廃した地方自治体の復興資金調達をはかるため、各都道府県が独自で宝くじを発売できることとし、日本経済の救世主の役割をも担わされた宝くじ。販売総額のうち約40%が収益金として発売元の地方自治体へ販売実績に応じて納められ、公共事業などのために使用されている。(その他の内訳は「当せん金:45.8%」「売捌手数料・当せん金支払手数料:7.4%」「その他経費など:6.8%」となっているのだそうだ)。 お分かりのように、今年の年末のジャンボ宝くじを1枚300円で購入すれば、その中の300円×45.8%=約137円分が、当選した誰かの所にまとめて入るわけだ。
今の時代でも普通のサラリーマンなどにとっては、億単位のお金を手にすることは、夢の又夢の話であり、当てたい気持ちはよく分かる。しかし、購入額の50%以上が、自分達のところへは戻ってこないので、私のような現実的な夢のない人間には、どうしても買う気が起こらない。しかし、宝くじを買っている人達は、買っている金額の40%は地方自治体へ寄付をし、残り、14,2%は宝くじ販売等に携わっている人達を養うために払っているのだと思えば、たとえ、外れでも、嘆く事はないよね。先ず、夢を買って、夢に敗れても、誇りを持って生きれるよね。これから、堂々と、生きていってください・・・(^0^)。
しかし、この宝くじ、米国などには、430億円(3億6500万ドル)の大当たりがあるというから凄いね~。私など、日本の宝くじの3億円でも当たろうものなら、卒倒するだろうが、430億何度と言うともう、完全に,昇天してしまうよ・・・。いや、最も、買わないから当るわけないけどね・・。(^0^)
(画像は、富くじ。右画像日本銀行蔵。左下方は、春日神社の富くじ。第一勧業銀行蔵。週刊朝日百科・日本の歴史より)
参考:
宝くじ-Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9D%E3%81%8F%E3%81%98
在団法人日本宝くじ協会
http://www.takarakuji.nippon-net.ne.jp/index.html
宝くじあゆみ
http://www.takarakuji.nippon-net.ne.jp/ayumi.html
今日(9月2日)は「宝くじの日」
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/25e3b436dae77da639498506f04ac9a3
高津宮(高津神社)
http://www.kouzu.or.jp/map.html
【上方落語メモ第1集】その十一 「高 津 の 富」
http://homepage3.nifty.com/rakugo/kamigata/rakugo11.htm
史上最高額の米宝くじ当選者が名乗り出る
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1731343/detail
みずほ銀行・宝くじコーナー
http://www.takarakuji.mizuhobank.co.jp/
1945年[ザ・20世紀]
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fukushi/year/1945.html
REPORT No.6 [特集] 多様化するリスクマネジメント
http://www.mizuho-ir.co.jp/report/200307/itsolution.html