今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

時刻表記念日

2006-10-05 | 記念日
今日(10月5日)は、「時刻表記念日」
1894(明治27)年の今日(10月5日)、庚寅(かのえとら)新誌社から日本初の本格的な定期・月刊時刻表『汽車汽船旅行案内』が出版された。
時刻表とは、鉄・軌道・路線バス・航空路線・定期航路など、公共交通機関の運転時刻をまとめた表、およびその表を多数掲載した冊子などのこと。
一般には、各駅(バス停、空港、港)各路線における列車などの出発時刻を1つの表にまとめて、駅などに設置されているもの・・・と、複数の路線をまとめて月刊誌として販売されている物が主流で、JR線の列車の運転時刻を中心に、各種の交通機関の運転時刻を掲載しているものであり、単に「時刻表」と言った場合は、月刊誌型の時刻表を指していることが多い。又、重要なダイヤ改正があったときにも臨時に発行される。JR以外の鉄道会社が自社の改正などで発行する場合もある。現在では、全国版時刻表はJTBパブリッシング(旧JTB)と交通新聞社の2社から発行されている。しかし、このような、時刻表も、インターネットの発達した現在では、鉄道・航空・船舶・バス会社のほとんどは、自社のホームページや携帯サイトで時刻表や運賃表を公開しており、冊子タイプの時刻表等は減少傾向にある。だから、今、私達が日常多く使用しているものは、ダイヤ改正のあったときに、サラリーマンなどの鉄道等利用者などへのサービスとして、その駅に発着する列車の時刻を記載したもので、駅などで折りたたみ式や一枚ものの時刻表として無料で配布されているものなどが主流ではないか。この時刻表は、1894(明治27)年の今日(10月5日)”日本初の「定期・月刊」時刻表が庚寅新誌社から刊行されたもので、「定期・月刊」でない時刻表は、これ以前の鉄道開設時に発行されていたわけであり、以下参考の鉄道博物館 展示資料紹介 [時刻表その1 時刻表のあゆみ]に詳しく書かれている。
1872(明治5)年10月14日(新暦。旧暦では9月12日)新橋駅~横浜駅(現、桜木町駅)間に日本初の鉄道が正式開業《同年の6月12日(旧暦5月7日)に品川駅~横浜駅間は仮開業していた》。この時、工部省鉄道寮の達示を受けて各府県で公告され、簡易ながら紙一枚の時刻表も発行されたそうだ。しかし、この当時は、品川~横浜間に途中の停車場はなく、1日2往復の旅客列車が運転されていただけ・・・。時刻を示す「時」は何故か「字」で表記していたそうだ。同(明治5)年7月末には、残った新橋~品川間の線路の敷設が完成し、新橋~横浜間が全通。鉄道開業の祝典は、1872年10月14日(陰暦、明治5年9月12日)に新橋・横浜の両駅において明治天皇ご臨席のもとに執り行われた。一般の営業は鉄道開業の祝典の翌日からで、新橋~横浜間には1日9往復の旅客列車が運転され、中間の停車場は品川、川崎、鶴見、神奈川の4カ所。新橋~横浜間の片道所要時間は53分だったそうで、このときも工部省鉄道寮の達示を受けて各府県で公告され、これと同じ内容の時刻表が、横浜・活版社から発行されているという。この時の時刻表は、縦221ミリ、横299ミリの半紙大の和紙2枚に印刷されていたそうだ。
明治20年代までは鉄道の開業区間や列車本数が少なく、単独の時刻表が販売されるのは稀で、「日用便覧」の類に時刻表が併載されている例が多いようで、1889(明治22)年7月1日、当時の東海道本線新橋~神戸間全線開通。この頃から各地で不定期刊の冊子型の時刻表が見られるようになるが、各地の鉄道や船・馬車などの時刻表が、夫々の各社からバラバラに出ているため、旅行しようとするものなどにとっては旅行先である現地での交通機関の時刻などが分からず不便をしていた。福沢諭吉は英国留学時代、英国中の鉄道の時刻が一冊の冊子にまとめられたとても便利な時刻表が出版されていることを見て知っていたので、同じようなものが日本にもあればと思い、慶応義塾の出身者で庚寅新誌社という出版社を経営していた手塚猛昌(てづかたけまさ)に、こういう本を作らないかと提案し、定期・月刊時刻表『汽車汽船旅行案内』の出版が実現したものだそうである。この本には日本各地の鉄道、定期運行されている馬車、汽船、などの時刻表が網羅されている上に様々な紀行文なども載っていて、旅のガイドという雰囲気であったそうだ。
私も現役時代は、年中出張が仕事のようなものだったので、時刻表にはよくお世話になった。チームを組んで仕事をしていたが、若い頃、業務の計画などは、私が中心になって、立てていたが、私達のグループの出張計画も私が作っていた。時刻表を見ながら、仕事の計画を立てるのであるが、遊び好きの私は、出張先によっては、休暇なども利用し、帰りには、ついでにその近辺の観光もしていた。一度出ると4~5日は出張するので、仕事中であっても、夜の宿泊ぐらいホテルではなく、近くの温泉に浸かって地元のお酒や料理を楽しみたい。だから、東北や北陸、信州、など、温泉があって美味しい食べ物やお酒のあるところは、出張が楽しくて仕方がなかった。普通サラリーマンなどは、会社からでる規定額の出張旅費を始末して、出張の都度、僅かな差額をひねり出し、それを小遣いにして喜んでいる人が多いようだが、私や、同じ仲間の飲兵衛などは、出張の都度、いつも、赤字であった。しかし、そのお蔭で、会社の旅費を使って、なかなか行けないところへ行って、素敵な温泉にも浸かり、美味しいものを食べ、多少の観光もして来れるのだから、楽しくってしようがなかった。お蔭で、温泉通になったよ。(^0^)
話はそれたが、世の中には、時刻表を単に、仕事や旅行の計画などのために使うのではなく、時刻表マニアといって、仕事や旅行に行くわけでもないのに、時刻表を見て、机上のプランを立てて楽しんだり、特異な名前の駅を探したりなどして楽しんでいるものも多くいる。又、推理小説には、いろいろな分野のものがあるが、その中で、日本独自の分類のようだが、「トラベル・ミステリー 」といわれる分類に属するものがある。広義には、電車や航空機などの移動手段を用い、その運行予定表の裏をかいたアリバイ工作の登場する作品。「時刻表トリック」「時刻表もの」などとも言われているものである。外国には余り見られず、日本独特の分野でもあるようだが、それは、日本では鉄道の運行が極めて正確であり、国民の間で広く利用されていることがあるだろう。概ね、有名な観光地を舞台にし、探偵役がなんらかの形で観光にかかわってくる。
日本では特に西村京太郎が、列車や観光地を舞台とする作品を数多く発表し、著作は実に400冊を超えるという。人気ジャンルのひとつになっており、シリーズキャラクターである十津川警部は有名。多くの作品がテレビドラマ化(西村京太郎トラベルミステリー、あるいは西村京太郎サスペンス・十津川警部シリーズなど)されている。
世の時刻表マニアなどから見れば、このような、鉄道などを使ったトリックやアリバイ工作には、実際には到底実行不可能なものや、鉄道の知識があれば簡単に見破られるものも多いという指摘もあるようだが、それでも根強い人気がある。1981(昭和56)年、『終着駅殺人事件』で第34回日本推理作家協会賞受賞している。 私も、歴史小説と並んで推理小説が大好きである。特に、誰と言う事もなく、何でも好きであるが、このような賞を受賞したものは、殆ど読んでいる。
列車時刻表を駆使した推理小説と言えば、私は、まず、松本清張の『点と線』を思い出す。
九州博多近くの香椎にある海岸で発生した、一見心中事件と見える男女の死体が発見される。その裏には・・・ 汚職事件にからんだ複雑な背景と、殺害時刻に容疑者は北海道にいたという鉄壁のアリバイがあった・・。
昭和30年代の初頭に書かれた小説で、時刻表を使ったアリバイ作りの、元祖というべき作品である。「旅」(日本交通公社)1957年2月号から1958年1月号に連載し、同年に光文社から刊行されたもの。
列車時刻表を駆使したリアリスティックな状況設定で、動機をも重視したこの作品は、推理小説界に“社会派”の新風を吹きこみ、空前の推理小説ブームを呼んだ秀作である。その研ぎ澄まされた無駄のない文章、緻密に張り巡らされた伏線、深い心理描写など、この後数多く作られている推理小説とは比較にならない完璧な作品である。高峰三枝子主演で映画化もされた。推理小説の好きな人にお勧めの小説である。
(画像は、DVD「点と線」。松本清張。Goo映画)
参考:
時刻表 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%82%E5%88%BB%E8%A1%A8
鉄道博物館 展示資料紹介 [時刻表その1 時刻表のあゆみ]
http://www.railway-museum.jp/exhibition/172.html
人の歴史(山口県)
http://www.ysn21.jp/furusato/human/rekishi3.html
松本清張
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E6%9C%AC%E6%B8%85%E5%BC%B5
えきから時刻表
http://ekikara.jp/
時刻表博士まっこうくじらのウェブサイト
http://home.t01.itscom.net/jikoku/
るるぶ.CM
http://www.rurubu.com/forum/news.asp?Menu=List&Page=377