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記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

「大陸発見記念日(Columbus Day)」、コロンブスがアメリカ陸を発見した日。

2006-10-12 | 記念日
1492年の今日(10月12日)は、「大陸発見記念日(Columbus Day)」コロンブスがアメリカ大陸を発見した日。
現代ヨーロッパ文明の源とされる古代ギリシャ文明が興ったとき、ヨーロッパ人が抱く世界とはギリシャ・地中海周辺、アケメネス朝ペルシャが支配するオリエントに過ぎなかった。4世紀後半からゲルマン民族が侵入しローマ帝国が衰退すると、ヨーロッパは長い混乱期に陥り、ついで8世紀イスラーム勢力のイベリア半島侵入を赦し、狭い領域に押し込められた。この間、主体的に東西交流を推進する余力がヨーロッパにあるはずもなかった。
数世紀が経ち、カトリックを精神的支柱に据えて、現在の系譜に至るゲルマン民族諸国家が成立すると、商業も徐々に発展し、ヨーロッパに僅かばかりの余裕が芽生える。11世紀後半、セルジューク朝トルコパレスチナを征服したことを機に、ビザンツ帝国ローマ教皇ウルバヌス2世に援軍を要請する。教皇の要請に応えたヨーロッパ諸侯は、十字軍を結成してイスラームへの反攻を開始した。
15世紀に入いるとモンゴル勢力が衰退し、新たに台頭したオスマン朝トルコが、1453年、ビザンツ帝国を滅ぼし、ヨーロッパと東洋の中間に君臨した。オスマン朝トルコは、官僚制度と精強な軍隊を整えて、この地域に強力な支配権を確立すると、東西交易を独占して交易品に高い関税をかけるようになった。その後、地中海にも勢力を伸ばしてイタリア商人に圧力を加えるようにもなる。
従来に代わる交易ルートが必要とされるようになったヨーロッパではあったが、ルネッサンスの浸透によって科学技術が進歩し、地理学が発展し、羅針盤も伝来し、さらに外洋航海に耐えうる頑丈なキャラック船キャラベル船が建造され、海外進出への技術的ハードルはクリアされていた。
15世紀半、ポルトガルスペイン両国は、イベリア半島からイスラーム勢力を駆逐しレコンキスタ(国土回復運動)を達成しつつあった。かってイスラームに支配されていた両国は、激しい敵愾心から民族主義が高揚し、他のヨーロッパ諸国に先駆けて王を中心とした中央集権制度が成立した。新たな交易ルートの確保、イスラーム勢力の駆逐、強力な権力を持つ王の出現、そして航海技術の発展。ポルトガル・スペイン両国は、こぞって海に乗り出していく。いよいよここから、大航海時代の始まりである。
大航海時代とは、15世紀中ころから17世紀中ころまで続いた、ヨーロッパ人によるインドアジア大陸アメリカ大陸などへの海外進出をいう。主に西南ヨーロッパ人によって開始された。
大航海時代がはじまるヨーロッパの各国や有力なパトロンが国家的または商業上の戦略としてさまざまな探検をサポートした。ポルトガルのエンリケ航海王子は特に有名である。この時代に探検が盛んになった背景には船や航海術の発達、そして西洋諸国が商業主義・資本主義の道を歩み始めていたことが挙げられる。 とりわけ、アラビア商人が一手に握っていたインドとの交易は最大の目的であり、クリストファー・コロンブスのアメリカ到達も結局はインドを目指したものだった。
コロンブス(1451年頃 - 1506年5月20日)はイタリアのジェノヴァ出身の探検家・航海者・商人だといわれている。ヨーロッパ人(キリスト教徒、大航海時代として初)としてはじめてアメリカ海域へ到達した。しかし、本人は、死ぬまでたどり着いた場所をアジアだと信じて疑わなかったという。結局のところインドとの交易は喜望峰周りで航海したヴァスコ・ダ・ガマにより達成された。
コロンブスに関しては、毛織物業を営むドメニコ・コロンボの息子として1451年に生まれたとの文書があるそうだが、これについては異説も多く、はっきりした事が解らず、出身地に関してもスペイン、イタリア北部等諸説がありはっきりしていない。学会では少数ながらユダヤ人の出身であるという説も唱えられているなど、その出自が明らかではない事、また大航海の目的自体もあまり明確に語り継がれていない事等から様々な異聞が流れているようである。コロンブスが発見したアメリカという名称は、イタリアの探検家アメリゴ・ヴェスプッチの名から付けられたのだそうだ。(詳細はここを参照)
コロンブスがアメリカを発見したとされる1492年10月12日から、500年目の1992年に、それを記念したイベントが多数企画されているが、その中でも、フランスとスペインの両文化省の援助を受けた仏/西/米の合作映画『1492・コロンブス 』は、彼の信念、家族愛を盛り込んだ壮大な大スペクタクルとして作成されている。同映画のチラシによると、500年前の真実が今、我々の目の前で美しくも豪快に繰り広げられる。「人類の進歩において満場一致の同意によって成し遂げられたものはない。他のものより先に光を見た者は、他のものを無視して光を追求したとして非難される」-クリストファー・コロンブスー・・・とある。コロンブスは、英雄か!略奪者か!
フランス・スペイン文化省公認のこの映画は、制作費80億円を費やして製作されている。主演のコロンブスを演じるのは、フランスの名優・ジェラール・ドパルデュー、イザベラ女王役はシガーニー・ウィーヴァー、そして、監督は、リドリー・スコット。リドリー・スコット監督の戦争や歴史を描いた大作は、それぞれ明確なメッセージ性を維持していることで有名。
映画や、コロンブスの事については、ここで詳しくは触れていないが、詳しく知りたい人は、以下参考の、「クリストファー・コロンブス - Wikipedia」や「映画【『 1492・コロンブス 』の解説」などを見られるとよい。又、1492年に、コロンブスがアメリカに到着するより早い時期に、つまり、最近の研究では、コロンブスよりも500年も早い時期にヴァイキングによって入植が始まっていたと云われているそうだ。このことは、私のブログ今日(6月8日)は「バイキングの日」でも簡単に触れたが、詳細は、同ブログの参考に記載の「バイキングのアメリカ探検 」「アメリカ史 コロンブス以前の入植者~ヴァイキング~」ほかを見られるとよい。
(画像は、コレクションのチラシより「1492コロンブス」。リドリー・スコット作品)
大航海時代 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E8%88%AA%E6%B5%B7%E6%99%82%E4%BB%A3
クリストファー・コロンブス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%83%96%E3%82%B9
映画【『 1492・コロンブス』の解説
http://www.coda21.net/eiga3mai/text_review/1492_CONQUEST_OF_PARADISE.htm