今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

日本酒の日

2006-10-01 | 記念日
今日(10月1日)は「日本酒の日」
全国酒造組合中央会が1978(昭和53)年に、若者の日本酒離れを食い止める為に制定。
新米で酒造りを始めるのが10月で、酒の字の「酉」は、もともと酒つぼを表し、これに「したたる」という意の「シ」がつき、酒つぼからあふれ出す液体というので「酒」となったそうである。
この酒壺を表す「酉」(とり)」の字は十二支の10番目、更に1965(昭和40年)以前の、「酒造年度」が10月1日から始ることから、蔵元ではこの日を「酒造元旦」として祝っていた。そのようなことから、1978(昭和53年)以来、業界(日本酒造組合中央会)では、何かと酒に関係の深いこの日を、清酒をPRする「日本酒の日」に制定したそうだ。
日本酒雑学/0月1日の「日本酒の日」には確かな根拠あり。↓
http://www.sakejapan.com/sake-info/sake-info14/1001.html
10月は、収穫された新米を使って新酒が醸造される時期。また寒造りした酒は、半年以上貯蔵・熟成させ、「冷やおろし」としてこのころから出荷されるそうだ。
日本酒の日の他に、「本格焼酎の日 11月1日 」、「地ビールの日 4月23日」もある。いづれも、前に私のブログでとりあげたので、興味のある人は見てね。以下です。
11月1日→「本格焼酎の日」。4月23日→「地ビールの日」
この「酉」には「みのる」とか「秋」という意味もあり、10月は全国各地に海や山の幸が多く収穫される時期であることから、「酉」は、穀物の結実 ・収穫を象徴する言葉としても使われるようになる。
酉の意味について→http://www6.ocn.ne.jp/~uranai43/torihtml.html
兎に角、暑い盛りの夏が過ぎ、涼しくなった秋は、日本酒が美味しく味わえる季節でもあるよね。そして、この時期になると以下の有名な歌を思い出す。
「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒は静かに 飲むべかりけり」
これは、「酒仙の歌人」とも称され、旅と自然と共に酒をこよなく愛した漂白の歌人・若山牧水の「賛酒歌」の一つである。牧水が酒を詠ったものは二百首に及ぶという。
牧水の「賛酒歌」のほかの3首を見てみよう。
「 それほどに うまきかとひとの 問ひたらば 何と答へむ この酒の味」
「人の世に たのしみ多し 然れども 酒なしにして なにのたのしみ」
「うまきもの 心にならべ それこれと くらべまわせど 酒にしかめや 」
若山牧水は「幾山河 越えさり行かば 寂しさの はてなむ国ぞ 今日も旅ゆく」の歌のごとく、日本全国を短歌を詠みながら旅に明け暮れた漂泊の歌人で、あるが、旅と自然とともに酒をこよなく愛した歌人でもあった。
若山牧水 は、自著「酒と歌」の中で自分の酒の飲み方について書いている。短いb文なので、そのまま引用しよう。(以下参考の青空文庫より)
「今まで自分のして來たことで多少とも眼だつものは矢張り歌を作つて來た事だけの樣である。いま一つ、出鱈目に酒を飮んで來た事。
 歌を作つて來たとはいふものゝ、いつか知ら作つて來たとでもいふべきで、どうも作る氣になつて作つて來たといふ氣がしない。全力を擧げて作つて來たといふ氣がしない。たゞ、作れるから作つた、作らすから作つたといふ風の氣持である。寢食を忘れてゐる樣な苦心ぶりを見聞きするごとにいつもうしろめたい氣がしたものである。
 わたしは世にいふ大厄の今年が四十二歳であつた。それまでよく體が保てたものだと他もいひ自分でも考へる位ゐ無茶な酒の飮みかたをやつて來た。この頃ではさすがにその飮みぶりがいやになつた。いやになつたといつても、あの美味い、いひ難い微妙な力を持つ液體に對する愛着は寸毫も變らないが、此頃はその難有(ありがた)い液體の徳をけがす樣な飮み方をして居る樣に思はれてならないのである。湯水の樣に飮むとかまたはくすりの代りに飮むとかいふ傾向を帶びて來てゐる。さういふ風に飮めばこの靈妙不可思議な液體はまた直にそれに應ずる態度でこちらに向つて來る樣である。これは酒に對しても自分自身に對しても實に相濟まぬ事とおもふ。
 そこで無事に四十二歳まで生きて來た感謝としてわたしはこの昭和二年からもつと歌に對して熱心になりたいと思ふ。作ること、讀むこと、共に懸命にならうと思ふ。一身を捧じて進んで行けばまだわたしの世界は極く新鮮で、また、幽邃である樣に思はれる。それと共に酒をも本來の酒として飮むことに心がけようと思ふ。さうすればこの廿年來の親友は必ず本氣になつてわたしのこの懸命の爲事を助けてくれるに相違ない。」・・・・・と。
牧水 は1日に1升以上を飲む大酒豪であったが、さすが、この42差のときには、相当参っていたようである。その翌年・43歳のとき肝硬変により亡くなっている。
牧水 と同じ様に、飲兵衛の私は、若い頃ムチャクチャな飲み方をしてきた。そのため、50代に入ると余り多くを飲むと、悪酔いをするようにもなったので、大分控えめに飲むようになった。
そして、酒を飲むというよりは、酒で楽しむといった感じの飲み方に方向転換した。それで、今でも、無事生きていられるのだろう。そして、酒が飲めなくなったときから、酒を楽しむために酒を飲むための酒器類のコレクションを始めた。私の本館HPは、そんな酒器類の紹介のために開設したが、興味のある人は見てください。以下です。
よーさんの「我楽多部屋」・我楽多Ⅰ「酒器類」 ↓
http://www.geocities.jp/yousan02/p2-1.htm
又酒の好きな私は、当然に牧水 大好きであり、牧水の事については、以下のブログでも書いたので、牧水の好きな人は見てください。
今日(8月24日)は「愛酒の日」 ↓
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/93cdc74c370d0551228f63f5c091009d
今日(9月17日)は「牧水忌」 ↓
 http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/81c9cc47d3602857d8c05d75ca5e133e
「対酒当歌 人生幾何 譬如朝露 去日苦多」
酒に対(むか)いては当(まさ)に歌うべし、 人生は幾何(いくばく)ぞ、 譬(たと)えば朝の露の如し、 去りゆく日は苦(はなは)だ多し・・・、
これは、上の、曹操の詩「酒にむかいて」を直訳したものであるが、酒を飲む時は、おおいにうたうがよい。人の生命はどれほどあるというのだ。たとえてみれば、朝の露のようにはかないものだ。去っていく日々ばかりが、なんとおびただしく多いことよ・・・。と言った意味で、曹操の詩で代表的な「短歌行」の特に有名な一部分である。この短歌行が、いつうたわれたのかは定かではないが、小説「三国志演義」では、赤壁の戦いに挑む直前、曹操がこの詩をつくって、おおいに英雄の気概を吐いたことになっている。
若山牧水が詠ったように、秋の夜、静かに酒を飲むも良し、曹操のように、仕事仲間や友人達と、歌でも歌いながらワイワイがやがや楽しんで飲むのも良かろう。兎に角、秋は、酒の美味しい時期なのだから・・・。
生来の酒好きから九百首もの酒歌を残した中国の詩人「白楽天」は、自伝の「酔吟先生伝(白楽天のこと)」にて、「若し好きな酒を捨てねばならぬ なら、何を以て老い先を送ろうか」と記している。「酒は三友の一」も彼の言葉。三友とは琴、詩、酒をさし、「人生に酒がなければ生きていてもおもしろみがない」という意味だとか。
日本でも「酒仙」として名が知られている横山大観は、一説には、“60歳を境に米飯の類を殆どとらなくなり、90歳でこの世を去るまで酒を主食にしていた”ともいわれている・・・が。
私も若い頃より、夕食では、米飯類は摂らず、お酒が主食である。ただ、先にも書いたように、若い頃のような暴飲暴食は慎み、夕食時にはお銚子2~3本と決めている。酒が元で、好きな酒が病気で飲めなくなるのは嫌だからね~。手前味噌かもしれないが、毎日の晩酌が楽しみ、という人に、長寿な人が多いと言う。お酒は昔から「百薬の長」といわれてきたが、それは、医学的にも解明され、適度な飲酒は心臓病やガン、骨粗鬆症、老化・痴呆などの発祥リスクを下げるというデータが世界の疫学的研究で次々に発表されているんだそうだよ。ただ、最近は、日本人の日本酒離れが起きている。その反面、海外では、日本酒を飲む人が増えているという。日本の秋に似合う酒はやはり、日本酒だと思うが、秋の名月でも見ながら、日本酒のよさを楽しんでみませんか。そして、あなたの心身をよみがえらせる、一杯の効果・・・試してみては・・・?。
以下では、日本酒を造る杜氏を目指して修行中の蔵人の酒レクチャー。気取らず気楽に読めるよ。
大人の飲み方、愉しみ方~日本酒~
http://jp.getronics.com/today/sake/nihon01.htm
でも、くれぐれも注意を・・・。最近、酒を飲んでの車の事故が話題になっている。酒を飲んだら、絶対に、車を運転しないように・・・。
(画像は、マイコレクション絵葉書・麗姿百面相「乃美多相」英信画。)
参考:
全国酒造組合中央会
http://www.japansake.or.jp/
知る楽しむ・月桂冠
http://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/index.html
日本酒、豆辞典
http://www4.ocn.ne.jp/~hoppen/arakalt/skm00.html
日本酒雑学
http://www.sakejapan.com/sake-info/sake-info14.html
酒の詩歌句集(し か く し ゅ う)
http://jns.ixla.jp/users/jofuan505/myhaiku_008.htm
図書カード:酒と歌・著者名:若山牧水 (青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000162/card2199.html
憩いの歌集(懐かしい歌)・歌:谷 真酉美
http://8.health-life.net/~susa26/ikoi/index.html
酒の歌歌詞付き3つ。 夢追い酒 二人でお酒を 酔いどれ女の流れ歌