50キロのエイドで10分休んだけでも、再びスタートするときは
体がすでに固まってきており、なかなか足が思うように前にいかない。
過去、ウルトラ数回の経験から長く休めば休むほど実は
スピードがのってくるまでの時間が長くかかる。
つらい、休みたいと思うこころに鞭打って
ゆっくりな亀さん走法でもいいから、できるだけ早くスタートするほうがいい。
そんなわけで、次のエイド55.2キロまではかなりしんどかった。
だんだん、前も後ろも人がいない。一人旅は余計に堪える。
暑さも増してきた。
はるかかなたに一人みえる。リュックを担いでる人みたいだが、身軽なおじさんなのに
まったく距離が縮まらない。かなりの達人とお見受けした。
海を右手にみながら進んでいく。自転車のみなさんが、がんばれとエールを送ってくれる。
それをはげみに、ひたすら走る。
多々良大橋が見えてくるのであと少しで橋にあがるはず・・・
このはずが、おおきな落とし穴。
集中力がかけてきていて、はるかかなたに見えていたリュックの御仁が見えなくなった。
トイレ休憩かしらと思いながら、よし一気に追い越せとの色気をだして
スピードを少しあげた。そうすると、気持ちはまっすぐ進みことだけ。
地図は一回も走りながらみてないうえに、さきほど置いてきた。
そう、またやってしまいました。
どんどん進んでいくと、橋に向かうサイクリングロードの上がり口が左に見えた。
なんとなくおかしいと思いはじめたが、この先にきっと歩道があるのだろうと
の言い聞かせ走り続けていると、うしろから自転車に乗ったお姉さんが叫んでいる。
ランナーさんですよね。道違います!!かなり行き過ぎてます!!と
やっぱり!!! もう、歩道用階段まで引き返してたらかなりの距離ですから
自転車用道路を登ってくださいと。
誰一人いない道(自転車もまったくこない)を、ただひたすら上り続ける。
そう、この感覚は、昨年の萩往還で真夜中2時間コースアウト山道でさまよってた
悪夢と同じ。
地図に階段をあがりますと書いていたのだが、見落としていた。
きっと、道路のどこかに標識もあったのだろうが、暑さのせいあり
見落としたのだ。
これは致命的。11時間以内でのゴールはもう無理。20分以上のロスタイム。
走る気力が、上り坂とは反比例にどんどん下がってきている。
やっと多々良大橋まであがって、残り41キロ少々。
かなり前に抜き去った人たちが、前を走っている。
とにかく走るしかない。再びその人たちを一人、また一人と
追い越していく。
そうこうしながら70キロ地点の伯方大島大橋(全長1165M)まできた。
あと30キロ。暑さもかなりきつい。のどがカラカラ。水分補給
ここでほんとはしなくてはならないが何もなし。
橋の上は、さえぎるものもなくただひたすら日が照り続ける。
風はあるがかなりきつい風で・・この風が実はじゃま。
日よけのための帽子が風で飛ばされるため、帽子は手にもって
走るしかないのである。
橋からながめる島並みの風景に感動するよりも
橋ってこんなにつらいコースなんだと心が凹んできはじめ
とにかくフォームだけは崩さないようにとの意識する。
すると!!! 正面にみえる自転車のカップルが立ち止まって
こちらのほうに手を振っている。お!!美人さんですな~
なんて思いながら後ろ振り向いても誰もいない。
???
だんだん近づいていくと、なんと、なんと
ジムで一緒に走っている美男美女夫妻のNさんではないか
そういえば、応援にサイクリングでいくかもなんて言ってましたが
ほんまにきはったんですやん
手を振ってくれ、応援コールをいただきました。
そう、!!これが、残り30キロを再び闘争心に火をつけてくれました。
まだ、あきらめたらあかん。最後まで、走れるだけ走らなくてはと。
そのとき写真を撮ってくれてました。以下の写真はすべて
N様の提供。ほんまに、おおきにです。
このとき、時刻は12時44分。
残り30キロをキロ7分なら3時間30分
エイドなしで16時14分・・・
エイド、信号待ちなどいれて目標は16時30分以内に設定しなおし。
この上の写真、ほんまに感動でおじさんの慢心の笑顔でありました。
80キロ地点「吉海町バラ公園にあるNo16エイド」は、大勢の観光客の中を走り抜けます。
これまた、応援を一杯いただきました。
ほんとうなら、ソフトクリームを食べたかったのですが、お金ももってなし・・・。
悔やまれましたです。でも、そんな余裕なし、あと20キロです。
86キロNo17エイド地点すぎると
来島海峡第一大橋(全長1570M)
来島海峡第二大橋(全長1515M)
来島海峡第三大橋(全長960M)
この橋が最後の根性橋
ほんとうは上り下りなんでしょうが・・ただひたすら上って上って
いけども、いけども橋また橋。
100Mほど先を走るランナーの背中をただひたすら追っかけていきます。
まったく近づかない。自分のペースを維持するにはその背中を目標に
踏ん張るしかない。
この3つの橋抜けるといよいよ残り10キロ。
よしとにかく、いつもの練習距離を残すだけと
少し足取りが軽くなってきました。
やがて市街地にはいると、前を行くランナーさんたちに追いつきました。
抜いては信号待ちでみんな一緒になり、また離れ・・
歩いては走りだしのランナーさんたち。
おじさんの目標である、とにかく歩かない・・
まだここまで、信号待ち以外は停まってない。最後まで
なんとか走り続けられそうな予感。
狭い道路、車が横をがんがん飛ばしていく。
商店街の中も走る抜ける。
速度を落としていかないとまた、道しるべを見落とすので用心
若いお兄ちゃんの後ろについていくことに。
今治城にまできた。あと2キロくらい。
ゴールは近い。
スーパフジが見え、右にまがるよう指示をいただき
ゴールである今治繊維リソースセンタが見えた。
前いくお兄ちゃんに、GOGGOと激をうしろから入れた。
ここまで、引っ張ってきてくれたお礼に先に入ってもらった。
ゴールテープをお兄ちゃんが切ったあと、
おじさんのために、再度ゴールテープを設定してくれ
ゴール!!カメラにポーズ。
アクシデント!!お兄ちゃんのゴール写真がうまくいかなかったみたいで
後ろにまた回ってきて、撮りなおしていたんです
もう少し、離れて入ってあげればよかったかしら
とにかく完走!!!! タイムは11時間20分くらいだと思う。
ストップウォッチをとめたつもりが、失敗。
おまけに、ゴールしたときの時計表示板さえあることも記憶なし。
いただいたゴール風景写真で、あ!!時計あったんだと・・。
Nご夫妻が、サイクリングから帰ってこられて、お疲れさまと声かけていただきました。
ほんまに、応援ありがとうございました。
おまけに、美しい奥様とのツーショットまでいただきましたです
ちなみに、この周りの床には 熱中症とかでかなり疲労困ぱいのランナーさんが多数転がっておりました。
後日、海宝さんからゴール写真と結果を送ってくれるそうです。
体調のほどは、左足親指に豆一個。右足なか指の爪一個いかれましたが、あとは翌日から10キロ走れております。
ただし、後半ボトルもたなかったため、水分補給失敗し、血尿となりましたが4日ほどで回復。
苦しいけど、やっぱり走り続けた11時間のたびの重さは、貴重な宝となりました。
海宝さん、お世話になりました。感謝感謝です。