ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

「薬指の標本」 小川洋子

2005年01月12日 | 読書
 このブログ日記を書き始めてからというもの、パソコンの前に座ってネットで遊んでいる時間が圧倒的に増え、その分読書に当てる時間がすごく減ってしまった。それではいけないと今年から心して読書にも時間を割かなくてはと思ってます。1年でどれくらい読めるのかこの日記に記録してみようと思います。まず今年第一冊目は週末にサウナの合間に読んだ文庫本から: 小川洋子の短編が2つ。「薬指の標本」と「六角形の小部屋」 小川洋子の本はそんなに読んだことがないなあ、これまで。「妊娠カレンダー」くらいかな。だからこの文庫本は多分彼女の作品では2冊目。何だか不思議な作風。男と女の恋愛話や別れ話というか傷ついた関係とかがテーマなのに、ちっともそんな感じがしないというか・・・下手するともっとドロドロした感情のやり取りになるところが汗も涙も官能の匂いもしない爽やかな風がさあーっと吹いておしまいという感じ。でも人が消えるようにいなくなったりするのって何?究極の恋愛=死ってこと? 最近の小説ってこんなスタイルが多い。絶対に本当の感情を表さない、人に本心を明かさないような格好つけた書き方というか、でもそれが逆に痛々しく感じられるときがあるけど。きらいじゃないけど、村上春樹より少し好きかな・・というくらいかな。「薬指の標本」も「六角形の小部屋」もファンタジーっぽい着想で面白いけど、うーん・・。「薬指の標本」がフランスで映画化されるって本当かしら?どこかで読みましたけど。そういえば、彼女の作品はほとんどフランスで翻訳されて出版されているらしく知人のフランス人もいつか「ホテルアイリス」を読んでいたな。映画になったら見に行きます。
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