昨日ドイツの親子関係が云々と書いて、tyuioさんから質問をいただき、日独親子関係について仕事の合間に考えていたのだが、私自身は子供を持ったことがないのでこれまであまり関心を持たないできたわけで、以下はあくまでも私の印象だと思って読んでください。そういうわけで、私の単なる思い違いというか間違いもあるかもしれないが、子持ちの友人にもそのうち聞いてみて間違いは訂正していきます。
日本とドイツでの親子関係はどのように違うのか・・・これを考えるとあまりにもいろんなファクターが絡んでいるので一言では言えないのであるが、大雑把な印象は、日本人はいつまでも親子がべったり甘えあっているし、ドイツはその反対というところか・・。日本では双方が自立してないというか、やはり個人主義という概念が欠落しているというか・・・。
そもそも結婚の成り立ちからして日独でベースが違うような気がする。男女の愛情がベースの結婚で家族のベースは愛し合っている男女(つまり両親)。もちろん、日本人の結婚も愛情で成り立つのだろうが、そのうち、母さん父さんの関係になり男女の愛情からは遠のいているような・・。(私は知りませんが、そういう印象なので・・)であるからして男女の仲を長く継続させるには男は会社人間になって午前様、休暇なしのような仕事第一の人生をおくってられない。そんなことしていたら女はすぐよそに男を作ったり・・(笑)つまり、妻が大事家族が大事という生活をしなくてはならない。日本ではそうしたくても出来ない社畜おやじが多すぎる?
で、そんな男女に子供が出来るとします。子供はかわいいが、ペットではないので猫かわいがりはしない。大事なことは子供が出来るだけ早く自立して巣立って行って早く元通りの結婚生活に戻りたい。(・・と無意識にでも思っているのではないかと・・)だから親の仕事は子供が自立する手助けをすることなのでペットには甘くても子供にはきびしい。
余談だけど、犬は大丈夫だが12歳以下の子供はお断りという高級リゾートホテルがオーストリアに出来たと最近のラジオで言っていた。ホテルマネージャーの話では、最近は自分の子供が暇を持て余してホテル内でドタバタ暴れても注意もしない情けない親が多いが犬はおとなしく躾ができているということでした。ゲルマン系の最近の親も日本人と似たり寄ったりになってきているということか・・?つまり、自分の子供の躾もちゃんとできない子供に甘い親が増えているってことですかね?
ドイツの親は日本の親のように子供に湯水のごとくお金をかけないし、そんなにかけなくてもいいような教育制度になっている。つまり幼稚園から大学まで基本的に学費は無料、全部税金から出ているのだ。
いろいろ習い事をしている子供たちも多いが、地域社会のスポーツクラブや音楽学校などが充実していて費用もたいしてかからない。それに日本のようにお受験などという馬鹿げたこともないので塾などもない。
大学は一つか二つの特殊なものを除いて基本的に国立(というか州立)のみ。国の財政がきびしくなったので州によっては大学の授業料を徴収してもいいと、つい最近法律が変わったのだけど、それが半期でたったの500ユーロですよ。年間1000ユーロ。これまで無料だったので学生は授業料導入反対デモをしていたが、日本に比べれば天国みたい。とはいっても自力で学生生活をおくっている連中がほとんどなので切実な問題ではあるのだが・・。
で大学生活の費用ですが、日本みたいに全面的に両親におんぶに抱っこというのは裕福な上に子供に甘い極々恵まれたお坊ちゃんお嬢ちゃんだけで、大半の学生は国の奨学金とバイトでまかなっている。そういう奨学金制度も充実しているようだ。この授業料がタダ!というのが魅力で私も留学してきた口なんですが、そう、外国の留学生もタダなのだ・・・今現在もそうであるかは不明だけど。
そういうわけで自分で費用を捻出するため仕事をしなくてはいけないので大学を卒業するまで時間がかかるのだ。それに学士というタイトルがなく修士相当のものしかないので、ますます卒業まで時間がかかる。税金節約もあって、学生を早く大学から追い出そうということで学士制度を導入しようという話が持ち上がっているけれど・・これはもう決まったのかな?ちょっと定かではない。
でドイツでは18歳になったら選挙権もあるし、男子には兵役義務もある。もちろん兵役を拒否することもできるのだが、拒否した連中は代わりに病院や老人ホームなどで働かせられるのだ。冷戦時代はこの義務は2年余りもあったらしいが現在は9ヶ月。この兵役及び代替労働期間はタダ働きではなく毎月国から250から400ユーロが支給されるらしい。
この時点で、つまり兵役につくか大学に行くかで大半の男女は親元を離れて生活をしだす。大学が親元に近いからと安易にいつまでも親元にいる学生も少ない。何とか自分の力で遣り繰りするのだ。もちろん、親からの多少の初期援助はあるかもしれないが。それにたとえ女性といえども結婚するまで親元にいるなんてことはドイツ人には想像を絶する話だと思う。
大学に行かない連中は職業教育を受けもっと早くから社会にでるわけでもっと早くから親元から放り出されることになる。では若年失業者は誰が養うのか・・という問題だけど親が養うのではなくやはり社会福祉の恩恵を受けている・・つまり国から何がしかの失業給付があるのだ・・と思う。だって親にそんな余裕があるとは思えないもの。だから税金も高い(泣)。
このあたりがおそらく日本とドイツの失業率の違いだと思うのだけど。日本の失業率は一見ドイツに比べて低いし、以前に比べたらリストラも進んでいるようだけど、その実態はまだまだ大企業にはもはや必要のない社員をたくさん抱えていると思うのだ。こちらのリストラに比べればまだまだ甘い・・と。つまり、日本では失対事業を私企業にまかせているが、ドイツは企業がどんどんリストラし、社会に放り出した失業者を税金で国が賄ってやっている・・と。
これも余談だが、日本には無駄な職業が多すぎる。あれだけの人口に仕事を与えなければいけないのだから無駄な仕事もあるのだろうけど、そういうのをドイツ並みになくせばもっと失業率も増えるはずだと思うのだが違うかな?
話を戻して、最近ではアパートの家賃も高くなったりしている上に甘い親も増えているようで親元でパラサイトを決め込んでいる若者も昔に比べたら増えているようでもあるんだが・・基本的には親も若者もはやく自立することを望んでいる・・と。
いつまでも子供でいたい、若く見られたい日本の若者と、早く大人っぽく見られたいこっちの若者の違いですかね・・。日本もドイツも結局社会が要求するように子供たちが育っていくということですか・・。
あ~そう言えば、安全保障や国防が如何に大事なことであるかを教えるためにはやはり日本にも若者の兵役または社会労働義務を制度化したほうがいいんじゃないでしょうかね?
書きながら、パラサイトシングルをテーマにした
フランス映画「タンギー」を思い出した。あの映画の中で両親があの手この手で息子を追い出そうとするのが笑えたけど、フランスでもこの手のパラサイトが増えているのかしら?