山歩き旅行からほぼ一月が経ってしまったけど、続きを書こうかな。
7月15日の朝 Zell am See からバスでKaprunのロープウェイ乗り場まで行く。
この日は今回のメインイヴェントのKitzsteinhorn(3203m)に登る日。
と言っても去年の強行軍で散々な目にあった会長は、今年は超軟弱な計画を立てたのだった。去年のように下から歩くなんてことはせず、途中の1976mの地点までロープウェイで一気に登ることにしたのだ
。
乗り場の横には入り口が塞がれたままのケーブルカーのトンネルがある。1997年の山合宿でここに来た時にはそのケーブルカーで上に登ったのだけど、1999年にこのケーブルカーはトンネルの中で火災を起こし、大惨事となったのだった。
この山の頂上付近は夏でも雪がたくさん残っており、この事故のとき日本の中学生たちも団体でスキー合宿に来て運悪く事故の犠牲になったのだった。その後のオーストリアの裁判ではケーブルカー会社などは無罪となり、それに怒ったアメリカ人犠牲者遺族はアメリカで再度裁判を起こし、今も係争中ではなかったか・・。
事故の2年前には私もこのケーブルカーに乗っていたのよね、罷り間違えば私が事故でトンネルの中で燃えて灰となっていたかもしれない。全く人間どこでどう運命が分かれるのかわかったもんじゃない。
犠牲者の冥福を祈りつつトンネルを横目で見つつロープウェイはあっという間に1976mの途中駅に到着。ここから宿泊予定のヒュッテまで足で歩いて登る。
会長の計画では5時間くらいは少なくともかかるかも・・・と踏んでいたんだけど、これが何と約1時間くらいで2400mくらいのところにあるヒュッテにあっけなく着いてしまったのだった。何か拍子抜け。去年のようにほぼ直線に登るようなキツイところもなく楽だった。あまりにも早く着きすぎたので、次の日に予定していた山頂までこのまま行くことにして、ヒュッテから再び2452mのアルペンセンターまで登山。私はちゃっかりと重いリュックをヒュッテにおいて身軽になって登ったけれど、他の人たちはほとんどリュックを背負ったまま。元気だねえ・・。
ここから再びロープウェイで一気に3029mの頂上駅まで登る。ここから本当の頂上まではザイルとピッケル持った本格登山をする人しかいけません。私ら軟弱山歩きグループはパノラマトンネルを抜けてグロスグロックナー(3797m)方面の万年氷河を見に行ったり、頂上付近でスキー場を歩いたり。いや~、スキ-ヤ-の多いこと!2900mのグレッチャープラトーに広がる大スキー場だけど、やはり夏なのでパウダースノウとは言いがたい重い雪でしたが。
この日泊まったヒュッテがあまりにもきれいなので驚きだった。去年のZugspitze登山で泊まったヒュッテは清潔で悪くはなかったけれど、寝るところは蚕だなのようになっていた。宿泊者がそんなに多くなかったので2人分のスペースと毛布を確保できたのでまだよかったけれど。
今年のヒュッテはまるで地上のホテル並み。きれいな4人部屋で、ちゃんとしたベッドにフカフカの羽根布団付き。部屋には洗面台までついているし、1泊2食で33.5ユーロという安さ。さすがにトイレやシャワーは共同だったけどとってもきれいで清潔。満足、満足!
さすがに歩き足りなかったので次の日は尾根歩きをしつつ下山した。9年前にも歩いたところで、こわ~い尾根があるところ。一番危険な箇所にはロープが張ってあるので、それに伝いながら歩くのだけど、何回来てもここは怖いよ~。それでなくても高所恐怖症なんだけど。
幸い風もなく、尾根の片側は霧というか朝靄がまだかかっていて下界まで見えず怖さが半減して本当に助かった。尾根伝いに1540mの地点まで下りて一休み。ここから再びロープウェイで下界まで降りて今回の山歩きも終わり。
去年に比べて楽チンこの上ない山歩きだった。来年もこの程度であってほしいなあ・・。