ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

2004年に最も嫌悪した言葉

2005年01月04日 | 日記
それは、「自己責任」という言葉。

スマトラ沖地震の被害者は日を追うに連れ増加の一途を辿り、本日現在で165,000人が犠牲となった模様。ドイツでは身元が確認された遺体が今のところ60人、すでに現地を出てドイツに戻った旅行者は7,000人。しかし、いまだに1,000人以上が行方不明で下手をするとドイツ人行方不明者の数は3,200人に上るとも言われだしている。自国の被害者の数が多いこともあり、年末から政府の閣僚が中心となってドイツ人被害者を中心に欧州旅行者の救済と災害地援助に当たっている。日本人の行方不明者の数も680人になると本日のニュースに載っていたが、日本は国家として自国被害者の対策にどのように取り組んでいるのだろうか。まさかとは思うけど、被害地域に5億ドルの無償支援をしただけで終わりってことではないでしょうね。いつものように金だけ出して何にも感謝されないということをリピートするんじゃないでしょうね。それに日本人被害者の救済はどうしているんでしょう?また「自己責任」の一言で切り捨ててしまうんじゃないでしょうね。メディアがまたそれに同調して旅行に行って犠牲となった人たちを苛めるんじゃないでしょうね。その愚かなメディアに付和雷同して悪意に満ちた手紙やメールを被害者の家族に出したりするんじゃないでしょうね。
まさかとは思うけど、昨年の4月にイラクで日本人3人が拉致された後に日本国内で起こった「自己責任論」と政府の対応の仕方とメディアの報道内容、家族に対する邪悪ないじめには、目と耳を疑ってしまったし、それ以後、なぜ日本人はそんな悪意に満ちた対応をするのかと、考え込んでしまっている。ドイツにいてそのような日本人の態度に失望と驚きと不快感を感じ、一瞬国籍を変更しようかとまで思ってしまった。もちろんしませんでしたけど。なぜにいつ殺されるかもわからない状況にいる無力な者とその家族にあそこまで悪意に満ちた嫌がらせをするの?「自己責任」だから勝手に死ねと切り捨てるその心理って何?もちろん、危険地域に警告を無視して入ったことは悪いけど、そもそも何の大義もない侵略に加担している小泉政権を糾弾するのが先決じゃなかったの?外から見ると日本で起こっている「自己責任論」はとっても異様だった。ドイツでもイラクで拉致され殺された人が2人いる。しかし、「自己責任論」など起こらなかった。一昨年だったか、北アフリカを旅行中のドイツ人やスイス人だったか、数カ国の人が誘拐された。数ヶ月に渡って拉致された後に国が身代金を肩代わりし外相自らが交渉に当たり無事に解放されたけど、「自己責任論」など起こらなかった。ことほど斯様に国民の対応の仕方が日本とドイツで違うとそれがどこから出る違いなのか・・・と考えてしまうのだが・・。