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おれは詐欺師になるほどの能力は無いけど その2 「怪奇」館の詐欺事件

2018年03月04日 | ニュース

東京マラソンで日本新記録を更新(5秒更新、しかし世界記録とは3分14秒の差がある。それに東京マラソン全体では2位)した日本人選手に日本実業団陸上競技連合は1億円を贈るとか。一方、オリンピックで金メダル2個を取った選手は4000万円(日本電産サンキョーの場合)。釣り合いがとれていないし、選手助成の方向が間違っている。マラソンの日本記録を1年に5秒ずつ更新しても、世界記録に追いつくのは39年と39億円かかる。バッカじゃない。

 

今回は、3月1日のブログ「おれは詐欺師になるほどの能力は無いけど その1 「スティング」の結末はよくわからなかった」の続きです。地面師と呼ばれる詐欺師の起こした事件を二つ。

 

①アパホテルが地面師の詐欺で12億円の損害

この事件の犯人は2017年11月に9人が捕まりました。登記申請書類の準備に関わった司法書士も逮捕されています。舞台は2013年8月の港区赤坂の378平方メートルの土地。犯人たちは、必要な書類は全て偽造して買い主を騙したようです。この詐欺グループは、同時期に3件の同様の詐欺事件を起こしています。

 

アパは土地の購入代金の返還を求める損害賠償請求訴訟に勝訴しているが、代金の回収は出来ていないようです。

 

この件は司法書士も仲間のようで、偽造書類の出来が良かったから騙されたのでしょうか。

 

②積水ハウスが地面師の詐欺にあい、63億円を失った「怪奇」な事件

 

この事件の犯人たちは未だ捕まっていません。この事件は、金額が大きい(メディアによっては、損失が55億円と書いています)ので有名になり、いろいろなメディアにその経緯が載っています。

 

例えば、「現代ビジネス」2017年8月3日の記事「積水ハウスから63億円をだまし取った「地面師」の恐るべき手口」参照。

 

事件の舞台は2017年、五反田駅から徒歩数分の目黒川沿いの土地。現地には現在は営業していない日本旅館「海喜館」の古びた建物が残っていて、この様子はGoogleマップのストリート・ビューで見ることが出来ます。幹線道路に面していないので、積水ハウスは商業施設ではなく、マンションを建てようとしたのでしょうか。

 

Googleマップから引用した地図と上空からの写真を載せます。なお、図示した「海喜館」の土地はおおよそであって正確ではありません。

 

 

 

本来の土地所有者は元女将ですが、必要な書類は偽造して、別の女性(外見は元女将と全く異なる)がこの女将に成りすまして土地の取引をしたとか。積水ハウスは金を払った後に現地で工事をしようとして、初めて気がついた。

 

あるメディアが書いているところでは、本来の土地所有者(元女将は亡くなっており、相続人いる)がこの土地取引の件について、積水ハウスに何回も警告していたそうです。本来の土地所有者が積水ハウスの偽の土地取引の話を知っていたということは、この土地周辺では積水ハウスによる土地取引の噂がかなり流れていたということ。それでも、積水ハウスは偽の土地取引を疑わなかったのは、よっぽど欲に目が眩んでいたのか。

 

本当は、騙されたいきさつをもっと詳しく知りたいところですが、これ以上に詳しい積水ハウス内部の話は出ていない。積水ハウスは内部で「調査報告書」を作成したそうですが是非読んでみたい。

 

積水ハウスでは、この詐欺事件の責任を巡り、会長が社長を解任しようとしたら、逆に社長が会長を解任したクーデター(積水ハウスは否定)が起きたと各メディアが書いています。私のような外部の人間は、会長も社長も責任があるので、両方とも辞めちゃえ!と思いますが、内部の力関係があるのでしょう。

 

この積水ハウスの件は、外部の指摘が何回もある中で、プロの大会社が騙されたというのは詐欺に騙される心理を考える上で興味深い。

 

2018.3.4

 

 


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