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北陸新幹線は小浜-京都ルートに決まったが・・

2017年02月26日 | 鉄道・リニア新幹線・航空機

実際に新幹線が走るのはかなり先の話なので私が生きているかどうかわかりませんが、北陸新幹線は小浜・京都ルートに決まりました。じゃあ具体的にどの場所を通るのか、探しても出て来ない。国道367号線(いわゆる鯖街道)沿いを通ると言われていますが、いろいろ疑問がある。

 

先ず、北陸新幹線小浜・京都ルートの具体的なルートを四つ考えました。下図参照。

 

京都府北部と中部及び福井県若狭地方の地図(Googleから、数字は国道)

 

① 小浜駅経由ルート

小浜駅から大きく半円を描いて東に戻り、国道367号線(いわゆる鯖街道)沿いの比良山系西側の狭い谷を通り、花折峠、滋賀県と京都府の境の「途中越え」を経て大原から京都市街地に入る

 

② 美浜ルート

小浜駅を通らず、手前の美浜町から国道367号線(いわゆる鯖街道)沿いを行く。国道367号線沿いを行くのなら、こちらがカーブもなだらかで新幹線として自然なルート。

あとは①と同じ。

 

③ 国道162号線ルート

小浜駅からそのまま国道162号線方面を行く。ここは数百メートル級の山地といくつかの集落があり、自然が守られた森林なので、自然調査に時間がかかりそう。

 

④ 小浜そのまま南下ルート

京都駅に至る最短ルートです。山林しかない山の中と市街地ど真ん中を突っ切るルートですが、実現性はどうでしょうか?

 

具体的な経路を考えるにあたって、重要なポイントを三つ挙げます。

 

(1)在来線の小浜駅を経由するかどうか?

上の地図を見てもらうとわかりますが、小浜駅を通る通らないで、ルート設定に大きく影響する

 

(2)京都市北部から市街地を通って京都駅に至る現実的なルートは?

①と②のルートでは、国道367号線沿いを南下して、京都市東北部の観光地大原に来る。ここから京都市街地のどこを通って、京都駅(地図では赤□)に至るかが大問題。大深度地下トンネルであっても、民家の密集した旧市街の下を通すのは結構無理がある。

 

③④のルートでも、京都市北部から京都の市街地のど真ん中を通過して京都駅に到達することになる。

 そこで考えた市街地を通過するルートを二つ。

  •  市街地通過ルートA

民家の密集した旧市街の下を通らずに京都駅に至るには、堀川通の地下を通すルートかな。堀川通は京都市街中央部を南北に走る道路で堀川通より広い通りは他に無いし、上賀茂から京都駅付近まで真っ直ぐに伸びている。しかし、これも現実的なのかな。

 

  • 市街地通過ルートB

市街地を迂回する一つの案として、比叡山や大文字山などの東山連峰の地下にトンネルを掘り、市街地を迂回する。このルートでも、有名観光地の近くを通るので、結構揉めそうです。

 

(3)国道367号線沿いの谷には、有名な花折断層が走っている。これを如何にして避けるのか?

 

国道367号線花折峠付近

 

地震調査研究推進本部の資料から作成

 

私は鯖街道を通ったことはありませんが、Googleで見ると国道367号線沿いの谷はいかにも断層が走っていそうな谷です。花折断層は比較的発生確率の大きな断層と言われています。今年5月に京大防災研の西村准教授は、GPSのデータからひずみが溜まっている地域として、西日本の4つの地域をあげていました。そのうちの一つが10月に起きた鳥取中部地震です。そして、その4つの地域の中に花折断層も含まれています。また過去にも、花折断層は要注意だと指摘している学者もいます。

 

将来(100年以内かな?)動くかもしれない断層を横切る、あるいはすぐ近くを並行して走るルートはまずいと思う。せめて真上を通ることのないようにするべき。しかし東海道新幹線やこれから作るリニアだって、断層をバシバシ横切っているから、日本じゃ、しょうがない気もする。

 

いずれにしても、ルートの大枠が決まっても、より具体的なルートを考えると、いろいろな問題が出て来る。しかも、どのルートも結構大変。これから検討するべき仕事は多い。

 

2017.02.26


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