今日は13日の金曜日、しかも大安と言うおかしな日です。
それはさておき、昨年2014年の2月18日に、ロシアとエストニアは国境を画定する条約に調印したと各メディアは伝えていました。エストニアがロシアの主張する国境を認めることで交渉は妥結しました。ある新聞は、「これで残る未確定の国境は日本の北方四島とロシアの国境だけ」と報じています。
この「未確定の国境は日本だけ」という部分に、このニュースの出た当時から「何か腑に落ちない」感じがありましたが、現在から見ると「やっぱり、ロシアはそう単純では無い」と実感します。
ロシアがソ連崩壊時に失った領土(ソ連を形成する共和国も含む)のなかで、現在も紛争が起きていたり、あるいは領土を奪還しようとしている地域は少なくとも四つはあります。
①モルドバ共和国のドニエストル地域(沿ドニエストル共和国)
ルーマニアの東隣りのモルドバ共和国東部にあって、ドニエストル川を挟んだ東岸の細い地域(ドニエストル川以外はウクライナに囲まれている)
②ジョージア(グルジア)のアブハジア自治共和国と南オセチア州
③ウクライナのクリミア半島
④ウクライナの東部地域
①と②は1991年のソ連崩壊前後から紛争になっており、現在はロシア軍が駐留しています。ロシアは①と②を編入・併合していないので、表向き国境問題はありませんが実質は編入・併合みたいなものです。
③は2014年2月下旬から紛争が起きており、それはエストニアとの条約調印の直後です。
④はロシアがクリミア半島を事実上占領した頃ころから、紛争が激化しています。
時系列でみると、エストニアと条約調印⇒クリミア半島を奪取⇒ウクライナ東部占領と、ロシアは順に手を付けています。偶然とは思えません。
さらに言うと、ロシアはクリミア半島への陸路を確保するために、ロシアからウクライナ東部、さらに南部を通ってクリミアに至る回廊を奪おうとしているのでしょう。ロシア本土からクリミア半島に向かって細い陸地が伸びていますが、海峡によって隔たれています。エネルギーなどはウクライナを経由することになり供給が不安定です。
このウクライナ東部での戦闘が激化した時、北欧諸国が警戒を強めていると言うニュースがありました。ロシアが北欧の領土を取りにくるのかな?と思いましたが、カリーニングラードを忘れていました。カリーニングラードは、バルト三国のリトアニアとポーランドに囲まれたロシアの飛び地で、昔の東プロイセンの一部です。北欧諸国は、ロシアの飛び地への陸路を取りに来ると思ったのでしょう。
こうして見ると、「これで残る未確定の国境は日本の北方四島とロシアの国境」という表現は、ロシアは日本と北方四島を返してくれるかも?という、日本の根拠が薄弱な願望が込められているのは明らかです。そんな気持ちでは、ロシアとの交渉で負かされてしまうだけです。ロシアは隣接する各地に紛争の種を抱えていて、隙のある所にはゴリゴリと進入して来ます。そうでないと、ソ連やロシアのように広い領土は手に入れられません。
こういう経緯を見てみると、ロシアは北方四島を返さないし、二島も難しいと思います。
そう思いませんか?
2015.03.13
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