ほぼ週二 横浜の山の中通信

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小林製薬の紅麹菌を利用したサプリの健康被害とカイワレO-157食中毒事件

2024年04月03日 | 健康・薬・食飲料

台湾で大地震発生

 

誰かが、地震の活動期に入ったと言っていましたが、その通りですね。能登半島の次は台湾ですか。

 

サプリの健康被害は公表が遅い?

 

TVでは、小林製薬の作った健康サプリメントによる健康被害の連絡・公表が遅いという意見が出ている。また政府も小林製薬の対応が遅いと言っている。

 

製品には想定外の問題が起きる

 

私が勤めていた会社は、機械というか電気関係の製品を作って世界に売っていた。製品を出すに当たっては、市場での使用状況を想定して、市場より苛酷な条件で性能試験を行っていた。この性能試験というか評価試験を通ると、製品化の許可が出る。しかし、社内で行う苛酷な評価試験をクリアしても、市場に出ると想定外の問題がたまに起きる。(想定内の問題が出ても、事前に準備しているので直ぐに対応できる)

 

ごったな市場クレームの中からヤバイ問題を見つけるのは難しい

 

日々、多くの市場クレームが会社のクレーム対応部門に来る。市場から上がって来るいろいろな市場情報の中から、本当にヤバイ情報を見つけるのはクレーム対応部門の仕事ですが、この作業は大変だと思う。(私はこの仕事をしていなかったので推測です)

 

クレーム対応部門に一つか二つの市場クレームの報告が来たとしても、いろんな市場情報の中に埋もれてしまうこともある。ごったな市場情報の中から、本当に重要な問題を見つけ出すだけで相当の時間がかかる。(大火事の様に直ぐに燃え広がる問題もあることを付け加えておきます)

 

想定外の市場クレームの再現と対策に四苦八苦

 

想定外の問題は、当然ながら原因が分からないので、どうしてその問題が起きるのか再現を試みるが、これがなかなか再現しない。会社のクレーム対応部門から連絡が来て、想定外の問題の原因を見つけるのに最低1か月、解決案を出せるまでにさらに最低1か月はかかる。小林製薬の健康被害の様に、微量の物質を見つけるとなると、かなりの時間がかかると思う。

 

以上、市場で起きた想定外の問題に四苦八苦した元技術屋の感想です。

 

カイワレ事件でO-157を検出したが、どの食物が原因か分からず

 

ところで、こういう事件が起きて思い出したのが、菅元首相が厚生大臣だった1996年(平成8年)に大阪・堺市の給食で起きたO-157による食中毒事件。何千人の感染者が出ましたが、その患者の多くが子供であり、当時3人の児童が死亡した。今回の小林製薬の健康被害より大騒ぎでした。

 

患者の便からはO-157が検出されたが、給食の食材からはO-157は検出されなかった。堺市の各地域の発生状況や給食メニューを検討した結果、カイワレがあやしいということになったが、カイワレの生産施設からもO-157は検出されなかった。このような報道の後、カイワレの買い控えが起こり、後に風評被害を広めたという判決が出て政府はカイワレ業者に賠償金を支払った。

 

その後、堺市でO-157食中毒は発生していませんが、真の原因食材は分からずじまい。カイワレだったのか、別の食材だったのか? 小林製薬の紅麹による健康被害事件も、堺市のO-157事件の様に原因を特定できず、迷宮入りになるかもしれない。

 

厚労省は昔の事例を教訓にしている?

 

厚労省は、小林製薬に先駆けてあやしい物質が「プベルル酸」と発表した。しかし、「プベルル酸」という発表がどう役に立つのか? 消費者で「プベルル酸」を摂取していた人が、摂取を止める? もっとも、あやしい物質が「プベルル酸」と発表しても、「プベルル酸」の風評被害は誰にもどこにも起きないけどね。

 

あやしい物質が「プベルル酸」と発表してから、何か騒ぎが下火になったよう?に思う。 一般市民は、役所や小林製薬が、少しは仕事をしていると思ったのかな? しかし、「プベルル酸」の発表が今後も正解になるかどうか? 私は、これからどうなるか分からないので、「プベルル酸」の発表はしなくてもよかったと思うけど。

 

2024年4月3日

(追記)

平成10年(1998年)4月1日に衆議院に提出された「かいわれ大根の種子の安全性に関する質問主意書」にこういう一節がある。

 

平成九年(1997年)三月中旬をピークとして関東南部及び東海地方において出血性大腸菌O157感染が多発し、疫学的な調査が行われかいわれ大根が原因であることが確認された。同調査に引き続き「貝割れ大根種子の腸管出血性大腸菌O157汚染に関する研究調査班」が種子からの検出試験を行い本年三月三十日にその結果が報告された。結果によると種子から直接培養によって大腸菌O157を確認することができなかったが、遺伝子の検索ではO157抗原合成遺伝子ならびにVT遺伝子が確認され種子が大腸菌O157により汚染されていたと結論されている。

 

まとめると、平成9年のO-157感染では、

・カイワレの種子から、培養によるO-157大腸菌は検出されなかった

・カイワレの種子の遺伝子検査で、O-157大腸菌が検出された

・この結果から、カイワレの種子がO-157大腸菌で汚染されていたと結論できる

 

平成9年のO-157の流行は全く覚えていません。この時も、培養によるO-157は検出されなかったんですね。こういう結果なのに、平成16年に最高裁で国の賠償が確定しているのは不思議?

 

このO-157事件は、もっと多くの資料を読む必要がありそうですが、私の実力ではここまです。

 


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