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ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

懐中電灯をLEDにする

2015年10月24日 | 科学・技術

若干、世間から遅れているような気もしますが、懐中電灯のLED化を推奨します。まだ従来の電球のままの人は是非LEDに交換するべきです。明るくなる(光が白っぽくなる)し、電池の寿命が延びるし、良いことずくめ。

 

先ず、ホームセンターか電気店で懐中電灯用のLEDランプを買ってきてください。なければ、アマゾンなどで買えます。私は一番安かったホームセンターで買いました。500円弱の値段です。ただし、LEDの懐中電灯が1000円強で売られているので、交換が面倒な方はランプを買わずに懐中電灯を買った方が良いかもしれません。

 

交換用のLEDランプはこんなパッケージです。(ランプは取ってあります)

普通の3ボルトと強力ライトの6ボルトの2種類のLEDがあるので、間違えないように。

 

従来の電球とLEDランプです。

 

懐中電灯を開けるとこのようになります。

 

左の黒いキャップの中に電球が入っているので、黒いキャップを回して外すとこんな感じ。

 

LED電球に交換して、元通りに黒いキャップを締めて、これで終わり。

電池を入れてスイッチをオンにすると、明るい! おまけに寿命は延びるはず。

私は未だ確認していないので、電球とLEDのスペックを比較します。

電池2本の懐中電灯

 

従来の電球

LEDランプ

電圧

2.5V

3V

電流

500mA

250mA

 電池4本の強力ライト

 

従来の電球

LEDランプ

電圧

4.8V

6V

電流

520mA

100mA

電池の寿命は電流に比例すると考えられるので、LEDランプを使用すると、2~5倍は長持ちしそうです。

 

懐中電灯の電球の口金がネジの場合、このメーカーには口金がネジのLEDランプは無いようです。その場合は、アマゾンなどで購入することになりますが、ものによっては値段が高いので、その時はLEDの懐中電灯を買った方が早いし簡単です。

 

災害時にも、明るくて寿命が長い方が断然良いので、LEDに取り替えるのを推奨します。

2015.10.24


科学の捏造は、今に始まったことでは無い~1977年の科学朝日から~

2014年10月14日 | 科学・技術

本棚を整理していたら、埃が被った「科学朝日」の197710月号が出てきました。ペラペラとページをめくっていると、「科学者の「うそ」を解剖する」という記事がありました。筆者は立正大学教授の中村禎里氏。この記事から、研究者の不正のいくつかを簡単に紹介します。

                   

①九州大学医学部の「慢性腎炎治癒報告事件」(1968年)

  内容が書いていないので、詳細不明

 

②ウォリン(米)による調査報告(1976年)

論文を発表した37人の研究者に、ウォリンがそのデータを提示するように依頼し、そのうち、32人の研究者から回答があった。

21人の研究者は、データを提出できなかった

・研究者から提出された7件のデータを精査すると、3件から論文を無効にするデータが見つかった。

 

 ジェームズ・ロバーツ(英)による調査報告(1976年)

ロバーツが専門誌の読者にアンケートを依頼し、199人から回答があった。このうち、92%の人は、「研究上の不正の事実を直接または間接的に知っている」と回答した。

その不正の種類は、

・データを操作して、好都合な値にする →74

・実験を粉飾する →17

・捏造 →7

・故意に解釈を捻じ曲げる →2

 

④遺伝学で有名なメンデルのデータ捏造

実験データが、その遺伝が出現する期待値にありえないほど近い。彼の助手かメンデル本人がデータを作ったか、あるいは、ちょうど良いデータが出た時点でメンデルは研究を打ち切った、と推測されている。

 

幻のピルトダウン人

イギリスのアマチュア学者のドーソンが、1911年にイギリスのピルトダウン(地名)の地層から、古い骨を発見した。これがピルトダウン人とされたが、1950年前後に、発見された骨が偽造品とされた。

 

カンメラーの獲得形質遺伝説

オーストリアの生物学者カンメラーは、1920年以前に、「獲得形質の遺伝」を証明した。

「獲得形質の遺伝」の一つの例は次のようなものです。陸上で交尾する「サンバガエル」に、数世代にわたり水中での交尾を強制すると、ついには水中交尾の習性を持つカエルと同じような黒ずんだ婚姻瘤が、「サンバガエル」の手に形成されるというもの。

ところが、1926年の「ネイチャー」に、このカエルの標本は捏造とする論文が発表され、これが長らく信じられてきた。しかし、1971年に出版された本「サンバガエルの謎」で、ケストナーは、カンメラーは誰かに陥れられたのであって、カンメラーは無罪であると主張した。

 

 これらの記事を読むと、昔からいろいろな疑惑があって感心します。えっ、あの有名なメンデルまでもと思いました。こうしてみると、不正は生物学に関連した分野が多いような印象を受けますが、やり易いのでしょうか?

 

話は変わりますが、「陽月秘話」http://imogayu.blogspot.jp/ の2014928日の項に、次のような話が書いてあります。

最近亡くなられた経済学者の宇沢弘文氏の思い出として、宇沢氏が中国共産党幹部の前で、

「資本主義には市場原理があって限界があるが、社会主義の搾取には限界が無い」

と言い放ったという話が載っていました。大笑いした後で、よう言うなあと思った逸話ですので、これをもじってみました。

「実験には金・人・時間に限界があるが、捏造には限界が無い」

というのは、いかがでしょう。二番煎じはパンチが弱いかなあ。

2014.10.14

 

下から2行目に一部付け加えました、

2014.11.07


乗用車メーカー8社のエンジン共同研究は変?

2014年07月02日 | 科学・技術

乗用車メーカー8社が”AICE”なる内燃機関の技術研究組合を発足させたそうです。

メーカー8社とは、ホンダ(本田技術研究所)、トヨタ自動車、日産自動車、スズキ、マツダ、三菱自動車、ダイハツ工業、富士重工業。他に9大学と自動車研究所、産業技術総合研究所が参加。9大学の中では、早稲田大学の分担が多い。

 

この技術研究組合の目的は、

1)ディーゼルの排気ガス処理技術

2)ガソリンエンジンの熱効率を50%にする

というものです。

しかし、この目的が本当?という意見がメディアやネット上で出ています。

 

私が感じた変な点は、次の3点です。

・総予算が10億円弱(初めの1年)

 この金額は、大学がエンジンを研究するには十分かもしれないけど、メーカーの研究予算としては少ない。金額の少なさから、この研究は、メーカーが主体では無く、大学任せという印象がします。

・部品メーカーは参加しない

 デンソーなどの部品メーカーの参加が全く無い。エンジン部品の大半は部品メーカーが作っているのに、なぜ? 部品メーカーを入れると、海外メーカーに情報が漏れるから?

・ディーゼルの欧州規格「Euro6」は、2014年からなので、間に合わない

 「ディーゼルの排気ガス処理技術」は、「Euro6」の次の規制への対応でしょうか?

 

このような点から、内燃機関を勉強する学生の確保が目的と書いたメディアもあったが、研究内容と予算金額を見ると、そう考えても不思議では無い。

違う見方をすると、自動車メーカーは業績が好調なので、増えた税金の還元策かもしれない。

 

「大学任せ」であっても、「税金の還元策」であっても、成果が上がれば文句はないですが、こういう本来の目的と異なる思惑では、研究の成果は期待できません。

 

この技術研究組合の期限は、メディアには書いていなかったが、一般的に5年が一区切り。5年後に成果を上げているかチェックしたいと思います。成果達成度を勝手に予測すると、期待を込めて10%位かな。

 

2014.07.02


不都合な真実 山は銃弾で鉛汚染

2014年06月14日 | 科学・技術

銃の弾には、いまだに鉛が使われています。さすがに、最近の環境規制の高まりから、狩猟には鉛弾を使わないようお達しが出ていますが、禁止されているわけではありません。

狩猟用には、鉛散弾と鉛ライフル銃弾が使用されています。なぜ鉛弾が使われるかと言うと、重くかつ軟らかいので、動物により大きいダメージを与えるからです。

 

 ところで、工業製品でも鉛規制が行われています。添加物として微量の鉛を使用しているものから、大量に使用しているもの(例えば鉛ガラス)まで、その数は非常に多い。産業界は鉛フリー製品に改良していますが、性能が同等とはならないので、どこも苦労しています。

 

その中で、最も使用量が多いのが「はんだ」です。電気業界では、配線基板に大量の「はんだ」を使用しています。従来の「はんだ」は鉛と錫の合金で、融点が低いので、重宝しています。

しかし、鉛規制によって、現在は鉛を使わない「はんだ」に移行しています。ただし、融点は20℃~45℃上昇し、しかも流れにくいので、対応が大変です。

 

 産業界はこんなに苦労しているのに、山の中では鉛をばら撒いているのですから。こういうところにも環境規制の矛盾が出ています。

 

2014.06.14


産業技術総合研究所の理事長は元ソニーの中鉢氏で良いのかな?

2014年06月10日 | 科学・技術

産業技術総合研究所は、元の通産省工業技術院を改組して作られた経産省傘下の研究所です。工業技術院には、電子技術総合研究所、地質調査所など多くの研究機関が所属していましたが、全て産業技術総合研究所の一部門となりました。日本における研究機関としては、旧科学技術庁傘下だった理化学研究所と並んで最大クラスです。

 

 余談ですが、経産省は工業技術院を廃止する代わりに、原子力安全・保安院を設置しましたが、原発事故で解体されました。

 

 この産業技術総合研究所のトップの理事長に最近就任したのが、ソニーの副会長だった中鉢氏です。理事長に産業界出身を持ってくるのは賛成ですが、よりによってソニーとは? もっと適任者はいなかったのでしょうか? 

 

 中鉢氏の経歴は、出井会長時代の2002年から常務、2004年に副社長、2005年にストリンガー会長と共に社長になり、さらに2009年に副会長に祭り上げられています。私はソニーとは全く関係が無いので、中鉢氏の人となりを知らないし、社内でどういう立場を取ったのかも知りません。

 

それで一般的な話になりますが、個性的な経営トップの傍でその地位を続けた人は、「のらりくらりと荒海を漂うクラゲ」か「イエスマン」的なイメージであり、そういう人が組織のトップになるのはどうかと思います。

 

最も問題なのは、リストラで多くの社員を解雇した会社の元経営者が、国の機関に転職すること! 道義的にありえない! こんな人が経営者だったソニーは、頭から腐っているのとちゃいますか?

 

 ましてや、最近あまり成果が上がっていない研究所には、リーダーシップが必要です。そういう時に、こういう人はどうかと思います。

どうも、経産省のやることなすこと、他のことを含め、何かずれている感じがします。

 

2014.06.10