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起こるべくして起きたX線天文衛星「ひとみ」の失敗 その2~絵にかいたような失敗の見本~

2016年06月29日 | 科学・技術

2016年のブログ「起こるべくして起きたX線天文衛星「ひとみ」の失敗 ~組織が時代遅れ~」の続きです。

 

2016年6月8日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「X線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会」の報告書を公表していますので、その報告書を基にした解説記事が既にメディアに出ています。ここでは、わたしが報告書を読んだ感想を書きます。前のブログにも書きましたが、X線天文衛星「ひとみ」を打ち上げたのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中の宇宙科学研究所ISASです。

 

報告書は下記URL参照。101ページあります。

http://www.jaxa.jp/press/2016/06/files/20160614_hitomi_01_j.pdf

 

X線天文衛星「ひとみ」が分解するまでの経緯

2007年:プロジェクトが始まる

2016年2月17日:打ち上げ

2016年2月25日:衛星打ち上げ後に変化した重量バランスに対応する数値パラメーター(この数値が間違っていた)を作成

2016年2月28日:間違った数値パラメーターを「ひとみ」に送信

2016年3月26日までに観測機器の立ち上げ完了

2016年3月26日:

 午前3時過ぎ:計画に従って「ひとみ」の姿勢変更を完了

(この姿勢制御は必要なプロセスですが、「ひとみ」を地上から観察できないタイミングで姿勢制御することに問題があるという指摘もあります)

午前4時過ぎ:「ひとみ」は(本当は正常なのに)姿勢に異常があるように自分で認識し、姿勢を正すような動作を開始したので、「ひとみ」が回転を始めた

(以前にも姿勢変更後に姿勢異常の誤認識が発生したことがあるようです)

この後、「ひとみ」は間違った数値パラメーターを基にした噴射のために、回転が増速した

(この噴射は地上からの指示ではなく、「ひとみ」の自分の判断)

午前10時過ぎ:「ひとみ」が分解した

午後4時過ぎ:音信不通が判明

2016年4月28日:復旧は困難と判断

 

衛星は、宇宙科学研究所ISASとNEC、三菱重工、日本飛行機、住友重機械、三菱電機の混成グループで打ち上げを担っていました。全体で何人いたのか、そのうちISASの人員は何人か報告書には書いてありませんが、制御関係を担当していたNECは十人前後から十数人だったようです。(これから出てくる運用担当者とあるのは、明確には書いていませんがNECと思われます)ISASだけでは、人員も技術も不足するので、こういう外部のメーカーの力を借りるのが普通のことですが、それだけにメンバーの意思疎通を図り、役割を明確にして、問題対応の漏れをなくすには大変な労力が必要です。こういう役目のプロジェクト責任者をISASの宇宙物理学の教授が出来るとは思えない。その理由は後で出て来ます。

 

それではトラブルをもう少し詳しく説明していきます。

まず衛星本体やセンサーなどに異常は無いのは確認しており、衛星自体の強度も問題なしと判断しています。原因は制御上の問題で、人の要因が強いようです。

問題が発生した順番です。

①    姿勢制御系の問題が発生

実際には回転していないのに回転していると衛星が誤って自己判断し、その回転を止めるように制御することで、逆に回転を始めた

(この誤った自己判断も以前から他の衛星でも起きている問題なので、それをキチンと対処しなかったのも問題であるが、ここでは省略します)

②    Z軸(長軸)周りにゆっくり回転を始める

③    衛星自体が姿勢の異常を検出し、安定モードになるように噴射を始めた

④    その噴射を制御する数値(パラメーター)が間違っており、適正な噴射ではなかった

⑤    「ひとみ」の回転が増速し、太陽電池パドルSAP(太陽電池を載せた羽のようなもの)の両翼(衛星の中で構造上一番弱い部分)が本体から分離

 

問題は、「噴射を制御する数値(パラメーター)が間違っていた」です。

この衛星が宇宙空間に到達すると、衛星本体に収まっていた太陽電池や測定用の機材が宇宙空間に大きく開きます。そうなると、この衛星の質量バランスが変化するので、姿勢を制御するための噴射を決める数値(パラメータ―)を書き換える必要がある。ここからが問題です。

 

1. 数値(パラメータ―)を書き換えることが、衛星を運用する文書に明確に書かれていなかった

2. その数値(パラメータ―)を書き換える手順を書いた手順書がなかった

3. その数値(パラメータ―)が運用担当者間で共有されていなかった

4. その数値(パラメータ―)の書き換えする(手作業です)時に、入力ミスをした

マイナスの付いた数値は、マイナスを取って入力することになっていたが、マイナスを付けたまま入力した。担当者はマイナスを取ることを知らなかった

5. その数値(パラメータ―)を書き換える作業訓練が事前に実施されていなかった

6. その数値(パラメータ―)を書き換えた後、コンピューター上でシミュレーションをすれば発見できたはずだったが、しなかった

7. 運用担当者のこれらの行為を監督する立場のISASのチェックもなかった

 

この分析を見た感想は、ヒドイの一言ですね。とても300億円をかけたプロジェクトとは思えないほど杜撰。

 

このような新しいプロジェクトでは、想定を超える事象が起きるのが普通です。だからこそ、事前に想定されている通常作業に間違いがあるようではどうしようもない。それを確認するためにも事前訓練が必要なのにしていない。さらに言えば、従来から発生しているのに解決できていない姿勢制御に関連した問題を、従来は実害が無いからと言って軽視するような態度では、まともな成功は覚束ない。

 

さらに報告書は指摘します。「衛星の設計への要求は、観測条件は詳細なのにも拘らず、安全・信頼性への要求は少ない」と。この計画のプロジェクト・マネージャー(プロジェクトの責任者)がISASの宇宙物理学の教授ということもあるのでしょう。「ISASの従来の方法では、プロジェクト管理が十分ではない」と述べていますが、全く同感です。

 

「ISASと業者の役割と責任が不明確」も指摘していますが、種子島での打ち上げでも問題になった部分で、結局ロケットは三菱重工が担当することになりました。「ひとみ」でも実質的にメーカーが大部分の業務をやっているのだったら、「ひとみ」の運行もメーカーに委託すべきです。(メーカーは嫌がるかも)

 

こういういい加減な体制だったら、こうなるだろうなと誰もが考える公式通りの失敗です。何とか戻って来た「はやぶさ」の場合も、こういう体制だったのでしょう。そうであれば「はやぶさ」が地球に帰ってこられたのは、ラッキーだったというしかない。しかし、「はやぶさ」のような偶然が再び起きるとも思えない。こういうあほらしい教訓を300億円かけて知ろうとは!

 

こういう失敗が起きても、PM(プロジェクトの責任者)とPI(観測の責任者)を別の人が担当するくらいの小手先の対策で済まして、現状通りにやろうとする人たちがISASの中にはいるようですが、どうしようもないですね。もっと根本的な対応を取る必要がある。

 

「はやぶさ」の成功の後、体制を改革できていれば、日本もまだ救いようがあるのでしょうが、それができないのが日本です。ISASの改革は、小手先だけの改革だけで済ますのではなく、もっと根本的に改革すべきです。

 

6月27日の日経新聞によると、JAXA(ISASでしょう)は代替機の予算を2017年に要求すると書いていますが、どうしようもない人達です。1回の失敗では教訓を得られない人たちで、きっと2回目の失敗が必要なのでしょう。

 

2016.06.29


起こるべくして起きたX線天文衛星「ひとみ」の失敗 その1 ~組織が時代遅れ~

2016年06月26日 | 科学・技術

「成功には偶然があり、失敗には必然がある」と言いますが、全くその通りです。

例えば、われわれは偶然も重なり大成功を収めると、その成功体験を捨てられず同じやり方を続けようとする。これは、従来通りしていれば安心ということもあるし、違う方法をやって失敗すると非難されることになるので、続けざるを得ない状況になる場合もある。そして、成功体験を漫然となぞっていると、しばらくは順調ですが、そのうち成功の陰に隠れていた欠点が徐々に大きくなり、結局失敗することが多い。後からその失敗を振り返ると、失敗が必然と思えるような原因が次々と出てくる。

 

2014年2月6日のブログ「日本のいびつな成功体験「はやぶさ」」で、「はやぶさ」の成功が「裏口技術」(私が名付けました)をもてはやす日本の「いびつさ」を指摘しました。

 

「はやぶさ」の成功の大きな要因の一つとして、「推進装置を制御する正規の回路の他に、もしかのための配線をしておいた」というのがありました。しかし、このような「裏口技術」を異様に誉めそやす日本の風土には問題があります。あの「はやぶさ」の成功後の異様な興奮状態をTVで見ると、日本人にはまともな技術開発ができないのでは?と思いました。このようなことを続けていると、次の計画ではまともに成功しない懸念があると上記ブログで書きました。

 

幸か不幸か、この懸念が表面化することは二年ほどありませんでしたが、ついに300億円の費用と8年の準備をかけたX線天文衛星「ひとみ」が失敗しました。

 

6月8日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「X線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会」の報告書を公表しました。これは今流行りの第三者委員会だそうですが、「ヤメ検」ではなく科学者が委員なので内容はまともで、失敗の問題点を明らかにしています。(二人いる主査の一人に「佐藤勝彦」氏の名前を見た時はビックリ。彼はノーベル賞級(ノーベル賞はちょっと難しいかな?)の宇宙物理学者ですよ。委員会の実務をどれほどしたかわかりませんが)

 

先ず書いておかなくてはならないのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)といっても内情は複雑なこと。X線天文衛星「ひとみ」を打ち上げたのは、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の中の「宇宙科学研究所」。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2003年に宇宙開発事業団、航空宇宙技術研究所と全国の大学の共同利用機関の旧宇宙科学研究所の3組織を統合して誕生しました。その旧宇宙科学研究所は、東京大学にあった宇宙航空研究所が源流です。

 

私のようなJAXA内部ではない者でも、宇宙科学研究所(ISAS)はJAXA本体とは一線を画している(もっとはっきり言えば独立というか孤立を保っている)なあと思います。宇宙科学研究所(ISAS)はJAXA本体の筑波市から離れた相模原市にあり、打ち上げ場も昔からの内之浦です。そして、ここのメンバーだけは「教授」「准教授」「助教」という肩書が付いています。「教授」という名前にステータスシンボルを感じるのでしょう。チーフとかディレクター、マネジャーなどの横文字よりも、「教授」のほうがえらいように思いますから。大学院教育を行っているという理由をつけるでしょうが、関係ないですよね。

 

昔からよく言われるように、「教授」なんていう人種に大プロジェクトのリーダーが務まるか?という話です。今回のX線天文衛星「ひとみ」のプロジェクトの責任者(プロジェクト・マネジャー)も高エネルギー宇宙物理学が専門の「教授」でした。

 

次回は「X線天文衛星「ひとみ」の異常事象に関する小委員会」の報告書を読んで、そこで指摘された問題点と対策を考えます。

 

2016.06.26

 

続きはこちら

 


「女子高生の鋭すぎる質問」には理由がある ~これで良いのか国主導の開発プロジェクト~

2016年05月03日 | 科学・技術

インターネット上で、「国家的会議で3百名の錚々たる学者を「ザワつかせた」女子高生の鋭すぎる質問とは?」という個人が書いた記事を見ました。その概要は

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 予算数百億円の国家プロジェクトの中のバイオ関連テーマのキックオフ・シンポジウムに参加した。シンポジウムでは、政府関係者、ノーベル賞を受賞した学者、著名な経営者、有名大学の高名な教授などがプレゼンした。

 

 プロジェクトリーダーの説明は、現段階では未知の技術のため具体的な手法も確立されていないが、国内の一流の学者や研究者の力を借りながら完成させ、4年後には日本がバイオで世界をリードしていくという内容だった。

 

 3時間のシンポジウムの最後に質疑応答があり、一人の女子高生が力強く挙手した。彼女の質問は、「今回のプロジェクトは、『どうやったらできるのか今はわからない』ということでしたが、なぜ4年という期間や数百億円という予算を決めることができるのですか?」

 この質問はまことに純粋な質問であり、大人たちは苦笑混じりに感嘆の声を上げ、今回のシンポジウムで最大の拍手が起こった。

 

 プロジェクトリーダーは頭をかきながら「大変鋭い質問です」とあれこれ説明していたが、女子高生はその場の雰囲気を察したのか、「わかりました」と答えて着席した。おそらく彼女は納得していなかっただろう。

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 この文章に「ノーベル賞を受賞した学者」「バイオ関連の大型事業」とあるので、山中教授のiPS細胞に関するプロジェクトかなあと思いました。それなら、女子高生は「開発プロジェクト」の進め方を知らないだけで、「鋭い質問」ではない。

 

合点がいかなかったのでインターネットで探すと、「ノーベル賞を受賞した学者」は「ノーベル賞級の学者」のようでiPS細胞関連では無いようです。さらに、このキックオフ・シンポジウムは、内閣府が主催する「革新的研究開発推進プログラムImPACT」の中の一つのプロジェクト「セレンディピティの計画的創出による新価値創造」のようです。

 

「革新的研究開発推進プログラムImPACT」は、平成25年度の補正予算から550億円を拠出して、16のプロジェクトが進行しています。(550億円は基金を作って一旦そこに入れ、各年に振り分けるようです) 補正予算から出すというと、どさくさにまぎれて出て来る悪名高い補助金というのが頭に思い浮かびます。それでImPACTの12のプロジェクト(私が見たホームページには、テーマが12しかなかった)を見ると、50年かかりそうなテーマから数年で何とかなりそうなテーマまでいろいろ並んでいるので、玉石混交というか急ごしらえの印象です。それに、これらのプロジェクトの半分がImPACTの期間の数年で出来た(出来るわけがない)としても、日本が技術で優位にたてるかな?と疑問です。

 

このImPACTの12のプロジェクトの中で、「セレンディピティの計画的創出による新価値創造」の内容が一番わからない。概要には「1兆個以上の多種多様な細胞群から、圧倒的性能を有する希少細胞を超高速・超正確に探索。大発見を偶然のものから必然のものに」とありますが、さらにわからん! 意味不明なカタカナや「圧倒的」とか「超」を使えば良いというもんじゃない。胡散臭さがプンプンする。

 

なるほど、こういうテーマの発表会であれば、「今回のプロジェクトは、『どうやったらできるのか今はわからない』ことが、なぜ4年という期間や数百億円(この金額は全体で、各プロジェクトは数十億円)という予算を決めることができるのですか?」と女子高生が言った意味を理解できる。

 

しかし『どうやったらできるのか今はわからない』テーマを国家プロジェクトに選ぶとは不思議? 既にネタはあるんじゃないの?

 

と思っていたら、ふと見たEテレの番組にこのプロジェクトリーダーが出演していて、高解像度・高速のカメラで血液中の細胞の一つ一つを明瞭に撮影できるという映像を流していました。しかし、この番組に出ていたカメラ画像は、従来から比べると鮮明だけど、まだぼやっとしている印象でした。 この技術の課題は撮影できる写真の枚数が数十枚(記憶が不確か)ということ。そうか、もしかして「セレンディピティの計画的創出による新価値創造」は、カメラ画像で細胞を選別することなのか?

 

話は変わりますが、新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO(こちらは旧通産省系)や科学技術振興機構JST(こちらは旧科学技術庁系)、それに内閣府が主催、あるいは補助するプロジェクトで、所期通りの成果をあげたプロジェクトはあるのでしょうか? これらの政府のプロジェクトは、期間が数年という制約があるので、「画期的な技術がそんな短期間(会社では長期ですが)でできるはずがない」と思います。

 

一方で、これだけいろいろなプロジェクトをやっているので、「国の支援を受けて画期的な技術が生まれた」と言われるものが一つくらい出て来ても良いと思いますが、大昔の「超エル・エス・アイ技術研究組合」だけのように思います。 サンシャイン計画やムーンライト計画の開始当初はメディアに登場したけど、その後は忘れ去られような・・・

 

同じ内閣府が主催し、最近終了したプロジェクトのFIRSTの各テーマを見ると、8割ほどが首をかしげたくなるようなテーマです。「こんなテーマをやるくらいなら、他に金を回せよ」と思うテーマが多い。その検証をしようとしたのですが、技術分野が多岐にわたり、私の能力不足で進捗していません。そのうちのいくつかでも何とかしたいのですが・・・

 

2016.05.03


負けている日本の技術-1~本庶佑氏のがん免疫療法~

2015年11月13日 | 科学・技術

本庶佑氏のノーベル賞受賞の予想が外れた!

先日(10月27日)のNHKの「クローズアップ現代」で、「ガン免疫療法」の話題を放送していました。

始めの数分のビデオはこちら。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3723.html

文による全体の紹介はこちら。

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3723_all.html

(これらが何時まで掲載されているかわかりません。削除された場合はご容赦願います)

 

この番組について私はこう推測しました。ノーベル賞受賞を見込んで番組を作っていたけど、ノーベル医学・生理学賞が大村智氏にいったので、番組が宙に浮き今回の「クローズアップ現代」になったのかな?(深読みしすぎ?)

 

このガン免疫療法を見つけた本庶佑氏は以前からノーベル賞候補と言われていました。

私も雑誌(例えば、週刊ダイヤモンド2015年4月18日号41ページ)で読みましたが、そのメカニズムを理解できませんでした。「クローズアップ現代」では、ガン細胞がいかに免疫細胞を攻撃して無力化するか、そして、この薬剤「免疫チェックポイント阻害剤」によって、免疫細胞がガンを攻撃できるようになるメカニズムを一般にもわかるように上手に説明していました。

 

ここからが本題。

この番組でも紹介していましたが、この本庶佑氏が発見したガン免疫療法に日本の製薬会社は興味を示さなかったそうです。なぜなら、それまでにも免疫療法でガンを治すというアイデアはあったが、いずれもうまく行かなかったという歴史があったので、日本では協力する製薬会社が無かったそうです。しかし、この番組で紹介していたように、本庶佑氏が発見した方法は、従来の免疫療法とアイデアが違う。

 

何か事業で競争相手に勝とうとすると、モノになるかどうかわからないリスクの大きい頃から着手しないと無理です。一つの例を挙げると、武田薬品のように今頃になってiPS細胞の研究を京大のiPS細胞研究所と始めるのは遅すぎます。やらないよりは良いかもしれませんが、大会社ともなると動きが鈍くなるのでしょうか?

 

ノーベル賞の話はどうでもよいのですが、せっかくの日本人のアイデアなのに、なぜ日本の製薬会社が協力しなかったのか? あるいは取り組みが遅れたのか? 本庶佑氏が研空を始めたのが約20年前。現在では日本の製薬会社も悔い改めて、本庶佑氏の免疫療法に取り組んでいるのでしょうね?

 

こういう将来の見る目の無さを反省しないと日本は負けてしまいます。将来、本庶佑氏の免疫療法がもっと世間に普及するとノーベル賞は貰えるはずです。それはそれで喜ばしいですが、実用面で遅れているのは残念です。本庶佑氏は、ノーベル賞を受賞するためにも、ぜひ長生きしてほしい。

 

現在の日本では、「日本はすばらしい」という自画自賛のテレビ番組(世間もそういう風潮なのでしょうか?)が多い中で、世間に逆らって日本が負けている技術について今後書いてみようと思っています。

2015.11.13

 

表題を変更しました。

2015.11.16

 

訂正

日本で「免疫チェックポイント阻害剤」を研究し開発した会社があったのを忘れていました。経済雑誌が既に取り上げて紹介していました。小野薬品工業の「オプジーボ」です。大手と言うよりは、中堅の製薬会社です。こういう規模の会社の方が小回りが利くのでしょう。

2015.12.01


ウィンドウズ10をダウンロード

2015年11月11日 | 科学・技術

この週末は、ウィンドウズ8.1パソコンを購入し、ウィンドウズ10のダウンロードにチャレンジ。思いの外簡単でした。

 

5年ほど使っているウィンドウズ7パソコンが、そろそろ突然死してもおかしくない時期かと思い、パソコンを買い増すと同時に、ウィンドウズ10を使ってみました。最近出て来たウィンドウズ10搭載パソコンは高そうなので、少し古いウィンドウズ8.1搭載のパソコンを購入し、ウィンドウズ10の無償ダウンロードに挑戦。

 

ウィンドウズ10をダウンロードをするには、先ずウィンドウズ8.1パソコンを使えるようにする必要がある。これが実に使いづらい。ウィンドウズ8.1の不評の理由がわかりました。

だいたいパソコンを操作する場合、初めからマニュアルを見る人は少ないはず。前からウィンドウズを使っている人なら、ある程度勘だけで操作できます。わからないところがあれば、マニュアルを見るか、インターネットで検索するか、詳しい人に聞けば何とかなる。ところが、ウィンドウズ8.1はウィンドウズ7と全く違う。これじゃ、最初からマニュアルを見ないと出来ないかもしれない。マイクロソフトは何を血迷ったのか? 多分パソコンがスマホに押されているので、焦っていたのでしょう。

 

ウィンドウズ10のダウンロードは簡単で半日で終了。唯一躓いたのは、パソコンに初めから入っているセキュリティ・ソフトの代わりに、自分が以前から使っているセキュリティ・ソフトへの変更に手間取ったこと。パソコンに初めから入っているセキュリティ・ソフトを完全に削除したつもりが削除しきれていず、邪魔してました。歌舞伎町の客引きのようにしつこい。

 

何とか二日間で初期の設定は出来ましたが、問題はこれから。ブラウザが「インターネット・エキスプローラ―」から「エッジ」に変わり、使い勝手がイマイチ。ウィンドウズ7パソコンが生きているのでしばらくはこちらを使用し、ウィンドウズ10パソコンは、のんびり慣れていきます。

 

ウィンドウズ10のおかげか、今回購入したスピードの速いCPUのパソコンおかげか、ネット回線がADSLでありながらキビキビと動いています。

 

2015.11.11

 

「キビキビと動いています」と書きましたが、新しいブラウザの「エッジ」やウィンドウズ10の上で動く「インターネット・エキスプローラ―」の調子が悪くなりました。何もしていないのに! 他にも不審な点があります。1台しか持っていないPCをウィンドウズ10に変更するのは、もう少し待った方が良いと思います。

2015.11.16