我が住む町には高校・中学校、そして二つの小学校、計4つの学校がある。
それぞれの校長、教頭先生は地区社会福祉協議会の理事さんであり、校長先生は常任理事という社協の執行役員をお願いしている。そんなつながりもあって、学校と地域の蜜月な良い環境が育っている。
今日は、中小三校による協育ネット協議会の呼びかけで一斉挨拶運動が行われた。学校支援団体や民生委員さん、そして社協の面々、自治会役員、保護者・先生方などが一緒になり、登校時間帯にそれぞれ通学路の要所に立って互いに挨拶を交わす。そんな活動である。
中でも中学校生徒会の委員は、決められた担当場所に立ち、登校する中学生はもとより小学生にも、通りがかるクルマのドライバーにも「おはようございます」の声を掛ける。中学生の彼はその小学校の卒業生であり、後輩たちを優しく見守るという構図が出来上がる。実に爽やかな微笑ましい光景ではある。
世知辛い世の中を反映して「知らない人に声を掛けられたら要注意」などと教えなければならないこともあって、ごく単純な「おはよう」「さようなら」の挨拶さえ出来ない、しない、そんな子が増えているのは確かである。「あそこのおばあちゃんはうるさいから、ちゃんと挨拶して通ろう」とか「あの角の爺さんには大きな声で挨拶せんと叱られる」などといった、世間一般の指導者が少なくなった。と言うか、そういった世間のお師匠さんを排除してしまう世の中に変貌したのかもしれない。ヘタな口出しをすると保護者から逆ねじを食うおそれがある。
それにしてもこんな生活の基本、人間としての原点、とも言える挨拶さえ、地域の人が中心になって教えなければならない子供社会をどう考えるのか。そんな難しいことは「こども庁」を創設しようとしている人たちに訊けば分かるのだろうか。いやいや、やはり地域で生きる、地域で生きてきた人、の知恵を借りるのが大きなハズレはないのかもしれないねー。