ここ2週間ばかりあまり気分の優れぬ日が続いていた。しかし、屈託なくジジババに甘える孫と戯れると、小理屈抜きの元気を貰うし、
新たな力がみなぎる思いがして、ホッと一息ではある。
昨日、孫の希さんと奈那さんと嫁さんが急きょ里帰りして来た。お父さんの勤務通りなら今夜帰ってくるはずであった。
希は、じいちゃんが植えておいたサツマイモが掘りたくて掘りたくて仕方がなかったらしい。
たった一日の違いなのに、それを待てずに「電車で帰る」と、親の心を動かし、昨日里帰りしてきた。
今日は朝はやくから「畑に行こう、お芋ほりしよう」と、ジジの朝ごはんが終わるのさえ待ちきれない様子。
わずか20本の苗を買って植えた、狭い芋畑ではあっても、土の中から顔を出すサツマイモを引き抜く快感は、彼女らにとってみれば1年に1度の楽しみなイベントなのかもしれない。やっぱり植えておいてよかったと、思わされる晴耕雨読の真骨頂である。
数こそ決して多くはないが、自分の手に余るほどの大物が土の中から出てくると、それはそれは歓声上げて大はしゃぎ。
この声こそ何物にも代えがたい、癒しの収穫である。そばでは、まだ物言えぬ奈那さんが、一丁前に両手におイモさんを握ってニッコリ。早くもお姉ちゃんの真似をして、成長しようと頑張っている様子が見て取れる。
週明けにはMRI検査が待っている山の神。結果次第では次の厳しい状況も予想される中、倅一家への特別メニューの献立や、普段の3倍くらいの量をこしらえる夕ご飯準備に追われ、忙しく時を過ごしている。そんな雑事に意外と気持ちは紛らわされているのだろうか。
ヨチヨチ歩きの奈那でさえ、ばあちゃんの笑顔を求めて一生懸命歩み寄っている。
まだまだ元気に、この子らの成長を見届けるのが私たちの責務なのであろう。
厳しい病との闘いが始まらないことを祈りたい。