見事に赤く・・・ サザンカ一輪
今年も数多くの喪中葉書が届いた。
これまでの最高記録は昨年の17枚であったのに対して、今年は24枚と一気に増えた。
小生自身が70半ばに差し掛かろうというのだから、お付き合いのある多くの方やその家族の高齢化も確かに頷ける。
そんなことはもちろん解っているが、それにしても年間24枚の喪中に接するとは、なんともやり切れない思いである。
そこには、24通りの悲しみや嘆きの声が聞こえてくるようで切ない。
特に今年は、直接的なお付き合いのあった方が亡くなられるケースが多く、そのご遺族からのお報せに多く接した。
多くの哀しみ対して、こちらに出来ることは「年賀状欠礼だけでよいのか」と考えてみた。
そこで、少しでも早く気持ちを切り替えて新たな思いで新年を迎えて欲しい。
そんな願いを込めた「年の瀬お見舞い」の葉書を差し上げることに思い至った。それぞれの悲しみに寄り添うお手紙をしたためた。
こちらの意が届いて、新たに始まる1年に明るい希望を抱いていただければ幸いである。
そして今一つの「年の瀬お見舞い」は、目下高齢者施設への入居や、病気入院を余儀なくされている親戚知人。
病み上がりで気分的に落ち込んでいる同級生の激励など、四方八方に駆け回るほど多くある。
直接顔を合わせ、他愛のない世間話の中で、笑ったり過去を懐かしんだりすることは、意外に精神安定薬になるようだ。
そんな中でもやはり本命は、年明けの正月3日には満104歳の誕生日を迎える叔母さんである。
「なかなかお迎えがこんね~」という。「な~に、お迎え名簿に名前は載っているのだから、そのうち必ず迎えが来るよ」。と軽くいなす。
そして「迎えが来そうになったら、それを押し返しながら、少しでも長く、元気に過ごそうや」と。
「三途の川の渡し賃がもうちょっと足らんので、少し待ってもらおうや」などと冗談を言い合い笑いながら話ができるこの有難さ。
師走も下旬を迎え、何かと気忙しい中ではあるが、こうして年の瀬の挨拶に回ると本当に年末気分に浸れる。
お手紙や直接の見舞いで接することによって、少しでも悲しみの呪縛から解き放たれ、佳い正月を迎えて欲しいと、単純に願っている。
赤く咲いても冬の花と言われるサザンカが、真っ赤な元気を見せてくれている。