「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「実るほど・・・」

2012年04月18日 | つれづれ噺

             

2月の終わりから3月の初めにかけてしっかり踏まれた麦が、その屈辱に耐え、真っ直ぐ天に向かって伸びている。踏まれれば踏まれるほど茎をしっかり成長させ、収穫時季を控えて降り始める梅雨にも倒されることなく、懸命に作り手の期待に応えようとする麦。今、青から黄色へと色を変えつつ成長を続けている。

やがて取り入れを迎える季節、初夏のころを「むぎあき、むぎのあき」「麦秋」と呼ぶことはご承知の通り。夏の季語であることも今さら説明も要るまい。
色を変え、収穫に備える麦の姿勢は、最後までシャキッと頭が高い。

そこへ行くと “実るほど 頭を垂れる 稲穂かな”と言われる通り、お米は秋の取り入れが近づくと、自然に頭を低くして自分が実ったことを万人に態度で示してくれる。
つまり、自分の地位や名声が高くなればなるほど頭も腰も低くなる。日本人古来の謙譲の美徳を教えてくれている。

かたやこちらは “実るほど 頭も高き 麦穂かな” と勘繰ってみたくなる。
偉くなったり地位が上がったりすると、周囲の人が愚かに見えたり、自分が特別高い地位にあるような錯覚を起こしてふんぞりかえる。
この世の中、稲穂タイプより麦穂タイプの方が如何に多いことか、皆さん体験済みであろう。さてあなたはどっち??などと聞かれると、ウ~ンやはり麦穂タイプか。

親しき友の間柄もしかり。成熟しかかった友だから心を許すあまり、調子に乗って稲穂の心を忘れてしまう勝手な振る舞いを反省する。
これは男女の間においても全く変わるものではないのだろう。
せっかく築きあげた素敵な関係を維持する努力は、麦穂タイプより稲穂タイプが功を奏するのは間違いない。
間もなく麦秋。突っ張る麦タイプを辞めて、稲穂の謙虚さを取り戻したい。

コメント (12)
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