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駆込み女と駆出し男

2021年02月09日 | アジア映画


「駆込み女と駆出し男」
監督:原田眞人
主演:大泉洋
   戸田恵梨香
   満島ひかり

 ドタバタコメディだと思って見始めたら、予想外に重厚なコメディで、嬉しいサプライズでした。”重厚なコメディ”ってなんやねんってカンジですが(汗)他に形容のしようがない。。ベースはコメディ、テーマは重厚。ハッキリ言ってとっっっても”素敵”な映画でした。
 夫婦が離縁する際、夫側からの離縁は認められているのに、妻側からは離縁できない時代のお話。働かない夫の代わりに一日中働き続ける鍛冶屋の妻じょごは、離縁に応じない夫から逃げるため、幕府公認の駆け込み寺『東慶寺』へと向かう。その道中、同じように『東慶寺』に向かっていたお吟と遭遇。お吟は暴漢に襲われ足をケガしていて、じょごはお吟を背負って二人で山越えをする。物語はこのじょごとお吟のエピソードを軸に進んで行くんですが、彼女たちが駆け込む『東慶寺』の人々や、その手前にある宿『柏屋』で起こる悲喜劇など、虐げられてきた女性たちの辛さや悔しさを、ときに笑わせながら綴っています。この映画に出てくる女性たちは、み〜んな魅力的でした。
 その中でもじょご役の戸田恵梨香が、サイッコーにかっこよかった! 鍛冶屋で肉体労働をしていたので度胸と体力は元々持っていて、ただ学がなかったために夫から虐げられても言い返すことができず、ただじっと耐えるしかなかったじょご。そんな彼女が『東慶寺』で文字や武術を習い、薬草の知識を身につけ、聡明で誰よりも頼りになる女性に変わっていきます。終盤、暴れる侍に立ち向かって行く姿の凛々しさは、もう別格でしたね。完全に惚れました!
 じょごを妹のように可愛がっていたお吟役の満島ひかりも凄くかっこよかったし、医者未満で作家未満という中途半端だけど誠実な信次郎役の大泉洋も”素敵”だった。じょごは顔に火傷のキズがあって、そのキズを信次郎が治す過程でじょごのことを好きになるんですが、その気持ちがよく分かるほど戸田恵梨香が美しかったですねぇ。
 周りに流されて生きてきたじょごが、自分の意思で人生の一歩を踏み出すラストもとてもよかった。邦画の中ではトップクラスのおもしろさでした。(もちろん戸田恵梨香に!☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)