フリーランス的発想のススメ

~フリー満喫講座~

父親たちの星条旗

2007年05月10日 | ハリウッド映画
監督:クリント・イーストウッド
主演:ライアン・フィリップ
   ジェシー・ブラッドフォード
   アダム・ビーチ

【第一部・父親たちの星条旗】
 圧倒的な戦力を持って『硫黄島』に上陸したアメリカ軍。異様な静けさのなか突き進むと、突然、銃撃の雨が降そそぐ―。日本兵の姿は見えず、硫黄島の山々が襲いかかってきたような錯覚に落ち入りながら、見えない敵とのやみくもな戦いに次々と倒れて行くアメリカ兵。そしてその戦いは36日間も続いていく。
 そこにはバーチャルでもなく、またゲームでもない、本物の『死』が待っていました。どこにも逃げ場のない戦場で、一瞬にして死んでいく仲間たち。彼らは国のために戦ったんじゃなく、仲間のために戦ったんだと、この映画は言いいます。
 戦いが終盤に近づき、山のなかに掘られた穴に入っていくと、そこには手榴弾で自爆した日本兵の死体の数々があった。この時やっと、自分たちは『亡霊』と戦っていたのではなく、同じように苦しんだ『人間』と戦っていたのだと気付くのです。

【第ニ部・硫黄島からの手紙】
 日本軍の重要な拠点である『硫黄島』。そこには水もなく、少ない食料で灼熱の暑さなか穴を掘り、地下要塞を作り続ける日本兵たちがいた。その過酷な作業や、体罰によって衰弱していく兵士たち。アメリカ軍が上陸した時には、もうすでに瀕死の状態だった。
 暗く、暑く、飲み水もない穴のなかで、いかに日本の兵士たちが36日間も戦ってきたのか。そしてアメリカ兵が見た「自爆した日本兵」の理由も、この第二部で明らかになります。

 この二部作をまだ見てない人がいたら、ぜひ「父親たちの星条旗」から見てください。『姿なき日本兵』の真実が、第二部「硫黄島からの手紙」で描かれる構成になってます。先に「硫黄島からの手紙」を見ちゃった、という人もまだ遅くはありません。「父親たちの星条旗」も見てほしい。なぜならこれは完璧な二部作であり、今まで見たことのない戦争映画の傑作だからです。(クリント・イーストウッドに☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆)