「謎を解く」という題名だが、特に「謎」とされていることを解明するという内容ではなく、芥川賞という文学賞の歴史を判りやすく丁寧に解説してくれる啓蒙書だ。作家が作家を評価して受賞者を選ぶとういうことで、そこには作家対作家という様々なドラマがある。それを選者である作家が残した「選評」という文章を通して読み解いていくという姿勢が大変面白くてためになる。記述はおおむね時代順になっているが、各章が「太宰事件」「女流作家」「該当者なし」「新旧作家の対立」といった大きなテーマに分類されていて、戦中戦後の日本文学史の流れや日本の社会の雰囲気が自然と判るようになっているのも構成として見事だ。巻末についている候補作・受賞作・選者の年表も、それを見ているだけで面白い。芥川賞などの文学賞には、賛否両論があるのは確かだろうが、本書は首尾一貫してそれを肯定的にとらえているのも、公正を欠くというよりはブレのない記述という感じで好感が持てた。ずっと手元に置いておきたいと思えるた良書だ。(「芥川賞の謎を解く」 鵜飼哲夫、文春新書)
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