ある大変不幸な出来事が当事者・関係者の人生をどのように翻弄し動かしたのかが静かな筆致で描かれ、それを通じて人生に必要なものとか心構えのようばなものを浮き彫りにしてくれる一冊。連作短編集なのだが、その構図がはっきり見えてくるのは3つ目の話からだ。最初の一編では、その出来事が遠景のように語られ、2つ目の話でその当事者の話になり、3つ目の話が同じ出来事の関係者の話であることが判り、ここでようやくこの短編集の中心が、その出来事であることがはっきりする。このあたりの、近づいたり離れたり、核心部分の話だったり少し脇道のエピソードだったりの振れ具合が、読者の心をなぜか強く揺さぶる。最後の短編は、その出来事から最も遠い人の話なのだが、ここで明かされるある事実には、本当に胸が締めつけられた。ある出来事に翻弄される人に対して、何か手を差し伸べたり励ましたりするのは簡単だが、その出来事の全部を知らない人には、その出来事の本当の衝撃というのは理解できないのかもしれない。しかしその一方で何かの支えになることが必要なことも確かにある、そんなことを考えさせられた。(「一瞬の雲の切れ間に」 砂田麻美、ポプラ社)j
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