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万能鑑定士Qの事件簿Ⅷ 松岡圭祐

2012年01月09日 | 読んだ本

シリーズ8作目。主人公の鑑定能力の進化は止まるところを知らない。ここまでくると、読者の興味を惹き付け続けるには、前よりもすごい能力の発揮がなければ、ファンとしてなかなか納得できないということになるのだろう。ただ、本シリーズでうまいなぁと思うのは、一直線に凄みを増していくのではなく、時々本作のように主人公が鑑定士として活躍を始める前の過去にまつわる人々を物語に関わらせて、そのあたりのスピードをうまく調整していることだ。本作の場合、トリック自体はやや平凡だが、主人公の過去を知る人々が関わると、主人公の能力の切れ味が何故か鈍ってしまうようで、それによって、主人公への思い入れを強める効果と進化のスピードをゆっくりさせてシリーズを直線的にしない効果の2つを実現させているように思われる。(「万能鑑定士Qの事件簿Ⅷ」 松岡圭祐、角川文庫)



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