本書も、今年の本屋大賞ノミネート作品。題名には「文具店」とあるが、書かれているのは副業のような形で行われている「代書屋」という仕事にまつわるエピソードだ。今でも「代書屋」という職業が成り立っているのかどうかは知らないが、何らかの事情で本人自身が書けないあるいは書きたくない手紙を本人に代わってしたためる仕事だ。読んでいると、ただ「美しい字で書く」ということだけではなく、依頼人である本人のプライバシーを尊重して最小限の情報しか得られないという状況のなかで、依頼人が伝えたいことを手紙にするというかなりデリケートな仕事であることが判ってくる。その制約のある状況で、書く紙、筆記具、書体、文体、さらには封筒に貼る切手の絵柄までを慎重に選び、最善の手紙を完成させる。舞台は鎌倉、主人公の若い女性には色々複雑な家庭事情があることも分ってくる。色々な代書の依頼を受けながら、主人公自身が成長していったり、周りの人々との交流を深めたりといった形で話は進む。鎌倉という場所柄、変わっていく季節等も上手に織り込まれていて、読んでいて心が温まる小説だ。(「ツバキ文具店」 小川糸、幻冬社)
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