本筋とは違うかもしれないが、本書を読んでいて、桜庭一樹の「私の男」と相通じるものがあるような気がした。様々な事情から、「普通の家庭」「普通の家族」というものが何なのかが判らない主人公が登場するという共通点である。それは、両方ともかなり特殊な事情によるものであるが、そういった主人公の葛藤や行動を追うことによって、そもそも「普通の家庭」「普通の家族」とは何なのかを問いかけているようにも思える。小説で「普通でないこと」が扱われるのはそれほど珍しいことではないので、要するに、両書は「家族とは何か」という問題を扱っているとうことになるだろう。我々が考える「家族」「家庭」とは、ただ自分の親がそれをどう考えていたかということに過ぎず、自信を持ってこうだと言える人がいたとしても、それにそれほどの普遍性があるわけではないのかもしれない。またこれも本筋とは違うが、本書を読んでいると、この社会で潜伏生活をすることの難しさが痛感され、人間とは社会的動物なんだなぁと思わされる。最後に「ある事件」の被害者と犯人が、それぞれそれと知らずにすれ違う場面には感動させられた。(「八日目の蝉」角田光代、中央公論社)
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