生物学で「遺伝か環境か」という問いを巡って長い間論争が続いていたことは良く知られているが、それがどのように決着したのかを知る人は少ない。私も知らなかった。素人としては「多分明確な決着はつかず『どっちも』ということに落ち着くだろう」と考えてしまうが、生物学界での結論も、ほぼ素人考えと同じで、なんとも平凡な「遺伝も環境も」ということなのだそうだ。これでは、あまりにも平凡で「そんなこと言われなくても判っている」と言われそうで、熱くなって論争していた多くの生物学者も、なんとなく割り切れない感じなのだそうである。死闘を繰り広げてきた戦いの末引き分けで「勝者なし」となったような感じなのだろう。そこで登場したのが本書で、引き分けといっても多少の有利不利はあったはずなので、どちらが有利だったかをジャーナリストの目で判定しようと試みたわけだ。その結論が「やわらかい遺伝子」という言葉に象徴される「遺伝子は環境によって振る舞いを変える」という考え方だ。なるほどともいえる考え方だが、私としては、先日読んだ「利己的な遺伝子」の考え方の方が魅力的だし、そもそも遺伝子派にはあまり強く主張しすぎると「差別論者」と言われるハンディがある。どちらかというと、遺伝子派の肩を持ちたい気がする。(「やわらかい遺伝子」マット・リドラー、紀伊国屋書店)
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