今年の直木賞受賞作品。著者の本は、「桐島‥」に次いで2冊目。「桐島‥」を読んだ時は、若者の心情のようなものを上手く捉えた小説だとは思ったが、それほど心には残らなかった。それに対して、本書は、本当にすごい小説だと感心してしまった。若い人はこういうことを考えているんだということを知らされて、我々のような中年はどうやって生きていけばいいのだろうかと真剣に考えさせられてしまった。就職活動をする6人の大学生の話だが、今の若者達の心模様、最近の様々な表現ツールと人と人とのつながりの変化、自分とは何者かといういつの時代も変わらない自分への問いかけ、そうしたことのどれもこれもが心に残る。最後に明かされるある秘密は、それまでの話全体を全く違う目でみることを迫ってくるし、そもそも小説というのは何なのだろうということも考えさせられる。直木賞というのは、ほとんど「大家」といって良いような作家が、「まだ受賞していなかったのが不思議なくらい」という感じで多くの実績を積んで満を持して受賞というケースも多いが、本書は明らかにそれとは違う、他を圧倒するような傑作の受賞、他にどういう作品があるかという実績も、これからどういう作品を書いていくのかという期待も全く関係ない、この1冊だけで十分だと納得できる受賞だと感じた。(「何者」 朝井リョウ、新潮社)
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