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うたかたモザイク 一穂ミチ

著者の本は3冊目だが短編集は初めて。これまでに読んだ長編2冊はいずれも今の若者の生きにくさのようなものを根底に置いた少し重たい内容だったが、本書はもう少し軽い作品、バリエーションに富んだ作品が並んでいて、気楽に楽しめた。面白いなぁと思った短編がいくつかあったが特に印象的だったのが事故で死んだ男が猫に転生して未亡人になった妻に飼われてお世話になる一編。その猫が終始関西弁なのが笑えた。著者の幅の広さ、面白さを感じた一冊だった。(「うたかたモザイク」 一穂ミチ、講談社)
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