クスノキの番人 東野圭吾 2020年04月18日 | 読んだ本 何も知らせられないまま、ネットでパワースポットと評判のクスノキの「番人」となった主人公が、少ない手がかりを頼りにそのクスノキの謎に迫っていく物語。読者は、その主人公と同じ情報、同じ目線で少しずつその謎を理解していく。派手な事件もなく、強烈な個性を持った人物が登場しないにもかかわらず、ここまでスリリングな物語を紡ぎ上げる著者の文章と構成力に終始圧倒される。著者の数多い作品の中でも特に印象に残る1冊だった。(「クスノキの番人」 東野圭吾、実業之日本社)