goo

日本人のための「集団的自衛権」入門 石破茂

国会で「集団的自衛権」に関する法案が成立の見込みとなったが、今更ながらと思いながら、解説本を1冊読んでみることにした。きっかけは、自分自身が、どうしても、「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の違いをまだ本当に理解していないと感じたからだ。結論から言うと、残念ながら、本書を読んでも、本当にすっきり理解できたという感覚は得られなかった。それは本書の解説の仕方が悪いとか、説明が難しすぎるとかということではなく、純粋に「自分自身に納得がいかない」ということだ。説明するのは難しいが、根本には「なぜこの両者を峻別しなければいけないのか」という問いかけが、頭の片隅にいつも引っかかっている。本書では。なぜこうした措置が必要なのか、著者の考えがよく判るようにまとめられている。この問題が「憲法の解釈の変更で済む話なのか、それともちゃんと国民投票などを経て憲法を改正してから行うべきなのか、そのあたりは本書では必要性の議論と峻別して、あえて踏み込まないという立場をとっているようだ。憲法を改正するかどうかという手続論の前に、自分自身のもやもやを何とかして解消させなければ、自分の意見というものも持てない気がする。法案成立までにそれができるかどうか、もう1,2、冊関連本を読むことにしたいと思った。(「日本人のための「集団的自衛権」入門」 石破茂、新潮新書)

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )