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ブルーマーダー 誉田哲也

姫川シリーズの第6弾とのこと。全部読んでいるかどうか定かではないが、本書はシリーズ最高傑作との評判もあるらしい。読んでみると、確かに最初の作品「ストロベリーナイト」を読んだ時のわくわく感がよみがえってきた。このシリーズの特徴は、残虐な犯罪とその詳細な描写、過去に大きな傷を持ち精神的に犯罪者にシンクロしてしまう主人公、それと主人公をとりまく脇役たちのややコミカルな活躍といったところだが、それらが本編でも存分に味わえる。警察内部の組織の矛盾などが事件と大きく関わり、警察小説としての質もこれまでの作品よりも高まっているようだ。巻末の解説を読むと、まだ読んでいない短編集がでているらしく、また今年の暮れには新作も予定されているらしい。本シリーズ、自分の中では十分楽しませてもらったという意味でもう過去のものと感じていたが、本作を読んで、まだまだ楽しめそうな気がしてきた。(「ブルーマーダー」 誉田哲也、光文社文庫)

(海外出張などで10日ほど更新を休みます)

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