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よろこびの歌 宮下奈都

著者の本は「スコーレNO.4」「誰かが足りない」に次いで3作目。1冊読むごとに好きになってくる作家の1人だ。本書は、主人公の女子高校生たちが合唱コンクールにチャレンジするという典型的な青春小説だが、それぞれが色々な曰くを抱えながら少しずつ変わっていくさまをこまやかに追っていく文章が心良い。最後まで、コンクールでの結果などには拘らず、日常の日々を描くというスタンスが貫かれているのも良い。既に続編がでているということなので、早く読みたいところだが、一体どのような構成の本なのかが気になる。本書のような何人かの登場人物の視線で語り継ぐ連作集のようなものなのか、それとも1人の視点による長編なのか、それによって随分違った話になるだろうなぁという予感がする。(「よろこびの歌」 宮下奈都、実業の日本社文庫)

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