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2 野崎まど

著者の本はこれで3冊目。例によって、SF的な薀蓄がちりばめられていて、それが作品の大きな要素になっているのが楽しいし、独自の世界観のようなものもあり、「ライトノベル恐るべし」と思わず唸ってしまう1冊だ。ストーリーの「1」「2」あたりまでは、内容の破天荒さがあまり気にならないほど、物語の中に入り込める作品のように感じたが、最後の「3」でうまく話をまとめようとしすぎたせいか、やや話がおかしな方向にいってしまい、ややついていけないような気がした。2冊目に読んだ作品同様、最初に読んだ「Know」のような衝撃はないが、この大胆不敵な題名といい、「創作とは何か」を追い続ける見事なストーリー展開といい、ますますこの著者の底知れなさを見たような気がした。なお、本書には、2冊目に読んだ作品の舞台になった学校が登場していて、そのほかにも著者の別の作品の登場人物が出ていたりしているようで、本書は、著者のこれまでの作品の集大成のような位置づけの作品ということのようだ。(「2」 野崎まど、メディアワークス文庫)

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