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ジウ Ⅰ~Ⅲ 誉田哲也

文庫で3巻の作品なので、少し時間がある時にまとめて一気に読もうと思って少し前から準備していたのだが、TVでドラマ化されてしまった。ドラマを見てしまうと読む気がなくなると思い、ドラマの方は見ずに、ドラマの放映が終わってから読むことにして、ようやく読むことになった。最近、読書に関して、「読もう読もうと思っていたら‥」というようなことが多いような気がする。本シリーズは、性格や行動原理が「剛」と「柔」という正反対の2人の女性が主人公になっている点は、同じ作者の「武士道シリーズ」と似ている。一方、かなりどぎついバイオレンスの描写がある点は著者の「姫川玲子シリーズ」と似ている。本書では、まず第1巻で「剛」の方が、事件解決にあたって存分に持ち味を発揮するが、同時に大きな代償も払う。「武士道‥」では、両主人公のそれぞれの良さを平等に認めつつも、一見弱そうに見える方も物事への対応なども柔軟で、結局は強さでは両者とも変わらない、というスタンスだった。本シリーズもそういう展開になるのかなとと思いながら1冊目を読了した。2冊目に入り、「剛」の方の主人公が2人の主人公の良し悪しなどという次元を超えたとんでもなことになってしまい、後はこの事態がどのように収束するのかが最大の関心事となってしまった。そのまま一気に話は進み、とんでもない事件の割には犯人側の要求が陳腐だったりで、すごい作品なのかそうでもないのか良く分からないまま読了してしてしまった。(「ジウ Ⅰ~Ⅲ」 誉田哲也、中公文庫)

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