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ケースで考える呼吸器疾患

2016-07-12 | 勉強会

ケースで考える呼吸器疾患

 

慢性閉塞性肺疾患chronic obstructive pulmonary disease (COPD)の診断は遅れているといわれている。

40パック年以上の大量長期喫煙歴のある患者で常に、COPDの可能性を考慮して診察をおこなうべきである。

では、下記のケースをみてみよう。

 

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慢性咳を主訴に受診したCOPDプラス肺癌のケース

75才男性、主訴:半年前からの咳。

半年前からの咳、喀痰、労作時呼吸困難にて受診。大量長期の喫煙歴あり。

バイタルサインでは、頻脈や頻呼吸なし。

身体所見上、くちすぼめ呼吸、気管短縮、呼吸補助筋の発達、吸気時の鎖骨上窩の陥凹と頸静脈の虚脱、樽状胸郭、両側呼吸音の低下、心臓最強拍動点の剣状突起下への移動、などあり。

手指ではバチ指あり。

COPDを疑い、胸部単純X線写真とスパイロメトリー検査を施行、確定となった。

「COPD単独ではバチ指はまれ」ということより、胸部CT検査を施行し、肺癌を疑う所見も得た。

肺癌診断が確定した後、手術などの適切な治療を行なった。

現在は、禁煙しており、吸入薬などで外来フォロー中。

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「COPD単独ではバチ指はまれ」などは重要な臨床的叡智であり、クリニカルパールと呼ばれる。

実際、このパールはUCSFのティアニー先生のパール集に記載されている。

上記ケースではまた、COPDに特徴的な身体所見もそろっている。

 

 

症候別“見逃してはならない疾患
徳田安春
医学書院

 

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