肺炎は日本人死亡原因の第3位。最近の高齢者入院理由でも、肺炎がかなり多い印象があります。
老健施設入所者に対する肺炎球菌ワクチン接種は、肺炎球菌性肺炎を予防し、肺炎球菌性肺炎による死亡率を低下させるという研究結果が発表されています。
しかもこれは、日本で行われた研究です。
老健施設入所者1006人で肺炎球菌ワクチンを接種したグループ502人とワクチンと区別のつかない偽薬を接種したグループ504人に分けて26ヶ月以上追跡したところ、ワクチンを接種したグループの方が、肺炎球菌性肺炎の発生(2.8%対7.8%)も、それによる死亡(0%対35.1%)も少なかったという結果になりました。
肺炎球菌ワクチンは高齢者の肺炎球菌性肺炎の予防に効果があることがわかりました。
肺炎球菌性肺炎は、高齢者がかかる細菌性肺炎の中で最も多く見られる肺炎で、重症化して命取りになることがあります。
高齢者では、ワクチンの接種を検討してもよいと思われます。
注:この研究で使用された肺炎球菌ワクチンは従来からある成人向けの23価肺炎球菌ワクチンで、最近小児向けに開発された7価ワクチンとは異なるものです。
今回は以上です、しかし台風23号から変わった低気圧は強い勢力を維持したまま北海道付近にあります、風が強く吹いたり、雨で河川が氾濫したりする可能性があるそうですので、皆さん気をつけて下さい、では次回に。
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