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生活習慣病 高血圧2 連載 その63

2013-09-10 | 本の紹介

 前回に引き続き、生活習慣病の予防法と治療法、今回も高血圧について考えていきましょう。

 もし、高血圧と診断された場合、たとえ自覚症状がなくても、合併症を予防するために、次のような生活習慣を改善することが大切です。

 ●減量…正常なBMI値(18,5~24,9)の維持

 ●適切な食事療法…野菜、果物を多く摂取する。 全脂肪分、飽和脂肪酸量(動物性脂肪、スナック菓子などの加工食品に含まれる)を減らし、脂肪分は不飽和脂肪酸(魚、オリーブオイルなどに含まれる)から摂取する

 ●塩分制限…一日に6g以上の食塩はとらない

 ●運動療法…有酸素運動を一日30分以上、最低でも週5回以上行う

 ●節酒…男性はビール換算で一日350ml缶二本程度、女性は一本程度

 これらの生活習慣の改善によりある程度の血圧低下がみられますが、数ヶ月改善しない場合は、薬物療法を開始します。 改善するしないの目安は高血圧(ステージ1)では通常三ヶ月程度です。

 高血圧になると、心筋梗塞や脳卒中、慢性腎不全、末梢血管疾患、網膜症などの合併症を引き起こします。 これらの合併症が起こっている場合、そして糖尿病を合併している場合はにはすみやかに薬物療法を開始します。

 非薬物療法・薬物療法にかかわらず、血圧の治療目標値は、合併症が無い場合、収縮期140mmgおよび拡張期90mmg以下。 合併症があるまたは糖尿病である場合、収縮期130mmgおよび拡張期80mmg以下を目標として医師と相談しながら治療をしましょう。

 今回はこの辺で、上の生活改善には書き出していませんが、禁煙も大事な生活改善です。 高血圧はすべての生活習慣病の原点と言っても過言ではないでしょう。 医師とよく話し合って治療していきましょう。 一番やってはいけないのが何もやらないことです、自覚症状がなかなかわかりにくいので、ほったらかしになりがちですが、気をつけましょう。

 次回は、高脂血症について考えていきましょう。

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