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燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医徳田安春の最新医学情報集。問診、フィジカル、医療安全、EBM、臨床研究に強くなれます。

「医療相談」のススメ

2015-11-08 | こんなとき総合診療科

 徐々に身体の動きが悪くなった、パーキンソン病ではないか、神経内科の医師にかかった方がよいかとなじみの70歳代男性Aさんが相談にきました。

 

 話を聞くと、まだまだ仕事上は現役のAさん、1年前から、ストレスが高まって胃潰瘍気味となり、胃腸科では胃潰瘍の薬を処方されています。

 

 以前から循環器内科にかかっていて、降圧剤は10年前から服用中で血圧は正常化しています。

 

 さらに排尿障害には泌尿器科、腰痛には整形外科にも行っているとのことです。

 

 診察室に入ってくる様子はゆっくりで、横になってから起き上がるのに大変時間がかかるようです。

 

 気分も落ち込んでいて、心療内科にかかり、うつ状態と診断されたようです。

 

 処方薬を確認してびっくり、10種類以上の薬が投与されていたようです。

 

 高齢者では、複数の問題があることが多く、それぞれの専門医にかかることが多くなっています。

 

 多剤処方は珍しくありません。

 

 しかし、薬剤が多いことは副作用に苦しむ可能性も高まります。

 

 治療の優先順位や要否の判断は総合的な観点が必要です。

 

 個々の患者さんの治療優先順位の決定(トリアージ)を求める時は総合系医師への受診が適切です。

 

 総合的な視点を持った医師に「医療相談」をすることをお勧めします。

 

 ちなみにAさんですが、パーキンソン症候群は薬剤のためかもしれないと思い、薬の具体的な調整内容を提案しました。

 

 1、2ヶ月後には、動きが良くなってきていました、薬剤もスッキリと数種類のみとなりましたね。

 

 今回は以上です、昨日行われた、世界フィギュア選手権北京大会では、約2年ぶりとなる浅田選手が冒頭のトリプルアクセルを完璧に決め、途中転んだり、回転不足のジャンプがあったりしましたが、見事SPの点数を生かし金メダルを獲得しました、流石ですね、では次回に。

 

こんなとき、フィジカル: 超実践的! 身体診察のアプローチ
徳田安春
金原出版
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