徐々に身体の動きが悪くなった、パーキンソン病ではないか、神経内科の医師にかかった方がよいかとなじみの70歳代男性Aさんが相談にきました。
話を聞くと、まだまだ仕事上は現役のAさん、1年前から、ストレスが高まって胃潰瘍気味となり、胃腸科では胃潰瘍の薬を処方されています。
以前から循環器内科にかかっていて、降圧剤は10年前から服用中で血圧は正常化しています。
さらに排尿障害には泌尿器科、腰痛には整形外科にも行っているとのことです。
診察室に入ってくる様子はゆっくりで、横になってから起き上がるのに大変時間がかかるようです。
気分も落ち込んでいて、心療内科にかかり、うつ状態と診断されたようです。
処方薬を確認してびっくり、10種類以上の薬が投与されていたようです。
高齢者では、複数の問題があることが多く、それぞれの専門医にかかることが多くなっています。
多剤処方は珍しくありません。
しかし、薬剤が多いことは副作用に苦しむ可能性も高まります。
治療の優先順位や要否の判断は総合的な観点が必要です。
個々の患者さんの治療優先順位の決定(トリアージ)を求める時は総合系医師への受診が適切です。
総合的な視点を持った医師に「医療相談」をすることをお勧めします。
ちなみにAさんですが、パーキンソン症候群は薬剤のためかもしれないと思い、薬の具体的な調整内容を提案しました。
1、2ヶ月後には、動きが良くなってきていました、薬剤もスッキリと数種類のみとなりましたね。
今回は以上です、昨日行われた、世界フィギュア選手権北京大会では、約2年ぶりとなる浅田選手が冒頭のトリプルアクセルを完璧に決め、途中転んだり、回転不足のジャンプがあったりしましたが、見事SPの点数を生かし金メダルを獲得しました、流石ですね、では次回に。
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こんなとき、フィジカル: 超実践的! 身体診察のアプローチ |
徳田安春 | |
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