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総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

肺気腫型の臨床

2019-03-26 | 本の紹介、その他
 
みなさん、こんにちは。
 
 
今回はCOPDの肺気腫型についてです。
 


肺気腫型は労作時呼吸困難を主訴として発症し、喘鳴を伴うことがあっても、湿性咳嗽は少ないです。



病期の進行とともに呼吸困難は次第に増強し、過換気状態を呈します(呼吸数>22)。


動脈血ガス分析値は正常に近く、その典型的なデータはpH=7.42、PCO2<40、PO2=70、HCO3=24です。



努力換気の結果、ABGは正常に近いですが呼吸仕事量は増大し、呼吸エネルギー需要量は増加し、Hugh-Jones:  III-IV度の呼吸困難を訴えることが多いです。



食事時の呼吸困難のため摂取量も不充分となり、次第にるいそうが進行します。


身体所見では、痩身を特徴とし、唇は赤味を帯び、口窄め呼吸を認め(pink puffer)、胸郭は樽状胸を示します。



頸部では気管短縮、胸鎖乳突筋および中斜角筋の活動性の亢進と肥大像があり、吸気時の鎖骨上窩の陥凹、呼気時に怒張し吸気時に虚脱する頸静脈怒張が認められます。



進行ケースでは、pump handle movementやbucket handle movementなどの呼吸性胸郭運動は消失し、しばしばHooverの徴候が認められます。



肺野は打診上鼓音を呈し、聴診上呼吸音は減弱し、呼気の延長、時にearly inspiratory cracklesを聴取する。


心拍最強点は胸骨の剣状突起下に偏位することもあります。




写真 ガジュマルを真下から

 

  

 

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