燃えるフィジカルアセスメント

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骨は大事 連載 その46

2013-07-08 | 本の紹介

 健康長寿は子供から、と題しています今回は骨密度について考えていきましょう。

 健康長寿であるためには、自分の足で歩き、行動することがとても重要です。 いま、骨がスカスカになる、骨粗ショウ症が注目されています。 骨粗ショウ症になると、ちょっとした衝撃でも骨折しやすく、寝たきりの原因になることが多いため、注目されているのです。

 骨密度は成長後期、20~30歳代に最大となり、徐々に減少していきます。 女性は閉経後、女性ホルモン分泌が低下する関係で、骨密度が急速に減少するため、骨粗ショウ症になる人が増えています。

 加齢による骨密度の減少を食い止めるのは難しいので、子供のときから骨を丈夫にし骨密度を高めておくことが重要です。 成長期に高い骨密度を獲得し、そこから低下するのと、低い骨密度から低下するのとでは、高齢になってからの骨密度に差がでるのはおわかりになるはずです。 以下に骨を丈夫にする方法をまとめましたので、親子で実行しましょう。

 骨をつくる重要な栄養素がカルシウムです。 発育期の子供の場合は、毎日の食事で摂取すべきカルシウムの量は500~900mgです。 カルシウムの豊富な食品、たとえば、牛乳や乳製品、大豆製品、魚介類、野菜(小松菜、春菊、ちんげんさいなど)から摂取しましょう。

 骨にカルシウムが定着する際に必要なのがビタミンDです。 魚、鶏肉、卵、きのこなど、ビタミンDが豊富な食品を、カルシウムと同時に毎日の食事で摂取することが大事です。 また、ビタミンDは日光をあびることで、体内の物質が変化してつくられます。 乳幼児は戸外で遊ばせたり、適度な日光浴をさせましょう。

 骨は運動をすることによって刺激され鍛えられます。 小児から、毎日の運動習慣を身に付けたいものです。

 ビタミンK、ビタミンC、フラボノイド、マグネシウムなどの栄養素を豊富に含む食品を毎日摂取するようにしましょう。

 成長期の子供に過度のダイエットをさせてはいけません。 成長期は骨をはじめとして身体の基本となるものをつくっているときです。 理想体重の85%以下になるほどのダイエット、急激な体重減少となるダイエットはやめましょう。 とくに若い女性の過度のダイエットは問題です。 若い頃から骨密度が低く、骨がスカスカになってしまっては、高齢になってからとてももちません。 そのことを十分認識してほしいと思います。

 今回はこの辺で、次回も健康長寿は子供から、を考えていきましょう。 

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