S:それではまず、局所性浮腫の原因についてまとめてみましょう。
局所性浮腫の原因
(1)深部静脈血栓症
(2)閉塞性・炎症性リンパ浮腫:感染症(フィラリア、結核、再発性リンパ管炎)、術後、外傷後、放射線性、サルコイドーシス
(3)原発性リンパ浮腫:遺伝性リンパ浮腫(生下時;Milroy型、思春期から30歳までの女性;lymphedema precox、35歳以降;lymphedema tarda)
(4)大静脈以下のレベルでの閉塞:腫瘍、リンパ節腫脹
(5)局所外傷:Baker 嚢胞破裂、ヒ腹筋断裂
(6)炎症:蜂窩織炎、悪性腫瘍に伴う炎症、表在性血栓性静脈炎
(7)反射性交感神経性異栄養症
(8)血管浮腫
(9)先天性(まれ):Klippel - Trenaunay(ポートワイン班、四肢肥大、片側性静脈瘤を伴う静脈奇形)、Parke - Weber (聴診でbruitが聴取される動静脈奇形)
(徳田安春監訳:総合内科コンサルト:2006年MEDSI社より)
R:なんか複雑な表ですね。
もっとシンプルな覚え方はないでしょうか?
S:あります。
遭遇する頻度や重要度も考慮すると、静脈性、リンパ管性、炎症性、外傷性、その他、という五大原因別で考えたほうがよいでしょう。
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局所性浮腫の五大原因
- 静脈性:深部静脈血栓症など
- リンパ管性:術後や放射線療法後のリンパ浮腫など
- 炎症性:蜂窩織炎など
- 外傷性:Baker嚢胞破裂など
- その他
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