自然の慣性に身をまかせて

自然から得られた重力と遠心力をスキーでいかに推進力に変換できるか楽しんでいる山猿510の記録です。

Backcountry skiingとは

2015-02-09 19:54:37 | 山岳スキー

最近メディアでよく聞くBackcountry skiing (バックカントリースキー)
私の行っていることは「バックカントリースキー」という定義に当てはまる行為をしていると思われる。

そしてこのブログを見ている人の中には、私の知人も多く、その知人の中にはバックカントリースキーもしくはスノーボードをしていない人もいます。その方に昨今の報道がわかりにくいとの質問がありましたので、私の認識している範囲での情報を記載します。
(間違いもあるかと思います。予めご了承ください)

まず最初に、私の偏った知識だけではいけないと思い、第三者の力を借りて説明します。

中の人まんが<その1>「バックカントリー」について

このリンクを見て頂くと、ある程度理解していただけるのではと思います。

ちなみにBackcountryがあるのなら、Frontcountryもあるのでは?という発想もするかと思われます。
実はバックの反対語、フロントもあります。

この詳細はウィキペディア先生の力を借りて説明します。

まずはBackcountry skiingの記事

すると下記の言葉の定義が記載があります。

Frontcountry: off-trail within ski area boundaries where ski lifts and emergency services are close at hand.

Slackcountry: terrain outside of the ski area boundary that is accessed from a lift without having to use skins or bootpack. Usually this also includes area with access back to the lift as well. For purists, this could also include where people use a car as a shuttle.

Sidecountry: terrain outside marked ski area boundaries yet accessible via ski lift. Typically sidecountry requires the skier to hike, skin, or climb within ski area boundaries to reach or return from the sidecountry area, or both.

Backcountry: skiing in remote areas not within ski area boundaries.

私なりの知見も入れた形での翻訳を記載すると

Frontcountry:スキー場内でスキー場が許可している非圧雪エリア。この区域内ではスキー場が管理して、怪我等のケアを対応してくれる。

Slackcountry:スキー場外のエリアにて、リフトのみでアクセスでき、ゲレンデに戻ることのできる滑降ができる。モービルや、キャットスキーなどの雪上車でいくスキーもこの定義に含まれると思われる。

Sidecountry:スキー場外のエリアにて、リフトのみでは行くこと、もしくは戻ることができず、スキン等の道具により自力で行動が必要な場所での行動

Backcountry:スキー場の場所とは疎遠の場所(もしくは、リフト等使用せず、スキン等の自力にて登り、滑降する)

ここでスキン???ってなると思います。


スキン(今はシールという言葉の方が主流)とはですが、

(K2の動画を拝借し)
この動画のようにスキーの裏に貼り、専用のビンディング等を使用することにより

(次はG3の動画を拝借し)

のように山でも登ることができる道具です。

私があえて今回の記事のタイトルでバックカントリースキーという言葉を使用せず、Backcoutry skiingを使用したかというと、この定義が日本では曖昧なのでは?と感じているからでもあります

というのも、上記の英語のウィキペディア先生の左側に言語(Languages)を変換できる場所があります。

その場所の 「日本語」を選択すると日本語版のbackcountry skiingが回覧することができます。

その記事のタイトルは 山スキー

そしてその定義は

山スキー(やまスキー)は、人工的なゲレンデ(いわゆるスキー場の意)ではなく、自然の山で行うスキー、またはその用具のことである。山岳スキー、最近ではバックカントリースキー、オフピステスキーなどと呼ばれる事もある。

この定義の中には、Side、Backを包括したすべての意味を記載されている。

しかしそれ以降の説明にはにおいてSide、Back等の区別できるような内容は確認できない。(どちらかというと、Sideよりback寄りの内容が主体のよう)

ウィキペディア先生の内容の間違いもあるのも事実だし、今回の比較方法が正しい比較方法だとは言わないが、ある程度の認識者の内容のコピペが多いことを勘案すると、専門誌等を除くと、一般的にはやはり英語と日本語ではかなり認識の差異があることは伺えると言えるとも思う。(ちなみにこのような言語の違いで、内容が違うのは、よく拝見でき、なかなか面白いです。)


ということで、ある報道では
Backcountry skiingと山スキーをあえて区別していたけど、私の中では
Backcountry skiing=山スキーであり、最初は???でした。でも報道の内容から推察するに

バックカントリー → Sidecountry(Slackcountry>
山スキー     → Backcountry

と区別するためにあえてその言葉を選んだのだと思われます。ではなぜこの言葉をあえて分ける必要があったのかというと、英語の定義により、アクセスのしやすさの違いもあるが、事故の危険度の特性にも違いがあるのが原因と思われる。


ゲレンデ外もしくはコース外 →Slack
      比較的だれでも入ることができる故、経験、知識のない人などは特に滑落、衝突、雪崩の可能性がある
      行く場所を間違えると、スキー場に戻れない


シール等の自力での移動が必要→Side 
      Slackの危険要因+シール等の自力で移動できない人が、トレースを使用して行動してしまう場合、自力で戻れなくなる。

全てが自らの力で行動が必要 →Back 
      最初から自力で登るため、だれでも簡単に入ることはないと一般的には言われているが
      自然で起きうるあらゆる危険性を自らの能力を判断して行動する必要がある

昨今の事故の報道のメインがSideでの事故の事象が比較的多いことからか、backとSideの違いを区別すべく

Sidecountry(Slackcountry)  → バックカントリー
Backcountry                 →山スキー

の言葉をあえて使用していたと思われ、ある人からBackcountry = 山スキー じゃないの??という質問を頂くことがあるのだが、上記の仮説を用いれば、なぜ報道でそのような言葉を選んだのかを理解していただけるのでは?と思う。

ちなみに私は言葉の定義を指摘したいわけでもなんでもない
そもそも上記の記載はある一例の定義であり、広い意味では全てをBackcountryとも言います
私が説明したかったことは、一言でバックカントリーと言っても、行動スタイルで事故の特性が違うということ、

Side(Slack)での起こりうる事象については、これまたシャルマンの方の記事が非常にわかりやすいかと思います。

中の人まんが<その2>「コース外滑走」について  


以上が最近知り合いから質問をいただいたり、疑問に思っていると思われることについて記載です。


このブログの中で自分自身に対して言える事は、
1.自分はこの世間の中で生かされており、その世の中の方は、あのような報道を見てBCとは、を理解しているということを、自分自身は理解すべき
2.自分の行っている山スキーを正当化するつもりもないし、正当化すべきでもない
3.やっぱり山スキーが大好きで、大好きでたまらない。だから怪我もないように山スキーをしたい

です。SideでもBackでも怪我等をしたら、色々な人の助けを借りることになり、ご迷惑をかける。
とても当たり前だが社会に住んでいるのであれば、そのことを認識し、忘れないようにしたいと思う。

以前山スキーの大先輩に「軽い気持ちでセッションとかで初めて会った人と雪山は行かないでね」というような内容の助言を頂いた。
最近この言葉がすごく分かるようになった。

若いころは、こんな素晴らしい世界を少しでもわかってもらいたいと思った。
でも山に行けば、行くほど、山のすばらしさと同時に山の怖さも知ることができた。
そしてそんな素敵であり、神秘的な場所ではあるが!簡単に人を雪山に誘うことは、あまりにも安易な考えだとも改めて思った。

Backcountryの解釈は山スキーより、裏山スキーの方がより適切な表現方法かなとこの頃個人的には思ったりもします。

 

 


雪山は簡単ではないです。そして とっても素敵です。  以上

補足:この内容については、これ以上議論するつもりがありませんし、したくありません。
コメントを頂いても、削除する可能性がありますので、一方的ですが、予めご了承ください。


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