スケッチブック30

生活者の目線で日本の政治社会の有様を綴る

スケッチブック30(香港 私は甘かった、中国は恐ろしい)

2021-03-04 11:29:34 | 日記
3月4日(木)
 香港で47名の民主派の人たちが裁判にかけられている。昨年7月の立法院予備選挙にかかわったことが、国家転覆罪に該当するというのである。中国では現政権を倒す動きをすることが国家転覆罪になるのだ。中国本土では元々民主的選挙などないから黒地の上に塗られたどす黒い血痕も目立たなかったが、香港では灰色にしても選挙制度がある。そこに大陸の血塗られた悪法をそのまま適用したから、鮮血がぶちまけられたように中国の封建的というか皇帝政治的な面妖が、明瞭に世界の人々の理解するところとなってしまった。
 選挙で勝つために工夫をこらすことは、我々から見れば、当然の事である。選挙で勝つのは自分たちに有利な政権を建てたいが為であり、そういう動きをするのはこれまた我々から見れば至極当然な話である。立憲民主党が政権を奪いたいために種々の陰謀を働くことは、当然の活動であり、そんな事はさせないぞと我々が立民潰しの戦いをするのも、これまた当然なことである。だがこれは政権交代であって、決して国家転覆ではない。政権が変わっても国家が転覆されるなどとは我々は考えない。
 だが中国共産党は違うのだ。現政権以外の政権はなく、共産党政権を倒そうとすることは即ち国家を倒そうとすることだと、そのようにしか認識できないのだ。実に異形な国である。秦とか漢帝国が今に生きているようだ。
 共産党政権が堯舜のような政治ならそれも良いかもしれないが、神話ではない現実の世界おいてそんなことはあり得ない。既にスターリンやヒットラーのやったような惨劇が現実に行われているではないか。これから先どんな悲惨な目に世界中の人が会うか分からない。そう考えて政権交代を図るのは香港人の当然の自衛策である。
 私は民主化デモが盛んだったころ、香港で天安門事件は起こせないと思っていた。しかし天安門事件を起こさずとも中国は時間をかけたが、それと同じことをやり遂げたのである。私は甘かった。西側世界からの批判や牽制は、一か月で片づける所を一年に伸ばしただけという、時間稼ぎの力しかなかったのである。中国は恐ろしいと心底思った。
 中国はチベットとウイグルと南シナ海と香港を片付けた。残る侵略先はインドとの国境紛争と台湾開放と尖閣の奪取である。インドは手強いし台湾は目立つ戦いになる。手を付け易いのは尖閣だとなるであろう。アメリカの高官が発言を訂正したように、アメリカは尖閣の領有権が日本にあるとは、言っていない。施政下にある限りは安保条約の対象となると、言っている。ならば施政下でなくなれば文句を言わないでしょうと、日本の漁船を追い出しに(本当は中国と日本の共同管理下での日本漁船の就業の形にしたいのだろう)かかっているのである。日本が対抗処置を取らねば、今年は中国船の領海侵犯が激化すると考える。

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